ぶちおの本棚

『彼女が最後に見たものは』記憶も家も失い、彷徨う日々。そんな人生を悲しいと判断するのはまだ早い。

2023年10月23日

ぶちおです。
おすすめ小説のご紹介です!

今回は『彼女が最後に見たものは』
『あの日、君は何をした』の続編です。
前作で登場したデコボコ刑事タッグも健在です。
被害者はどうして廃ビルで亡くなっていたのか、死ぬことになったのか。
変わり者刑事の三ツ矢がとことん迫ります!

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こんな人にオススメ

☆『彼女が最後に見たものは』を読了した
☆天才変人刑事と、空回り若手刑事のすれ違いがたまらん
☆入り乱れる人間模様が好き
☆グッとくるものを探している

書籍概要

◆作品名  彼女が最後に見たものは
◆著者   まさきとしか
◆出版社  小学館

傑作ミステリ『あの日、君は何をした』続編。

クリスマスイブの夜、新宿区の空きビルの一階で女性の遺体が発見された。五十代と思われる女性の着衣は乱れ、身元は不明。警視庁捜査一課の三ツ矢秀平と戸塚警察署の田所岳斗は再びコンビを組み、捜査に当たる。
そして、女性の指紋が、千葉県で男性が刺殺された未解決事件の現場で採取された指紋と一致。名前は松波郁子、ホームレスだったことが判明する。
予想外の接点で繋がる二つの不可解な事件の真相とは――!?

彼女はなぜ殺されなければならなかったのか。
彼女はなぜホームレスになったのか。
誰も知らない真実が明らかになる瞬間、世界が一転する。

理不尽な死と家族の崩壊を圧倒的な筆致で描く、
大ヒットミステリ『あの日、君は何をした』続編!!!

Amazon『彼女が最後に見たものは』作品内容より

ぶちおの読書感想文

『彼女が最後に見たものは』

いやぁ~、人間模様だなぁ~と。
読み終わると、なんともいえない切なさというか虚しさというか寂しさがワッショイしてきました。
前作は、真相がわかった時にこっわ…という印象が強かったのですが、今回はまた全然違う事件展開でした。

瞬間記憶能力を持ち推理力も抜群ながら、どこかふわふわと掴めない警視庁捜査一課の三ツ矢刑事。
言葉数も少なく、表情も読みにくいので何を考えているのかわからない。
ポツポツと囁くキーワードだけで、読者も推理についていく必要があります。
が、天才三ツ矢の思考にぶちおはもちろんついて行けませんでしたw
解決を読んで、あぁ~なるほどの嵐です。ぶちおの推理力は毛利小五郎以下かもしれません。

三ツ矢とタッグを組むのは、田所刑事。所轄のデカです。
変わり者三ツ矢の保護者役として、面倒ごとを押しつけられている不運な若手です。
前作でも三ツ矢とともに事件を解決しましたが、三ツ矢との距離感が掴めずやきもきします。
デコボココンビのうまみですね~
片方は頭脳系、片方は熱血系。
お互いに思考回路が違うので、すれ違いしつつも素敵なバディになっていく。ウフフ。

事件はクリスマスイブの日、身元不明の女性の遺体が廃ビルで発見されます。
どうやらビルの屋上から転落したらしいが、何者かの手によってビルの一階に運び込まれた形跡あり。
寒い時期にも関わらず、コートも着ずブラウスの前ははだけパンツのボタンも飛んでしまっている状態。
乱暴目的だったのか。
わざわざビルから落とした後に?移動させてまで?
被害者は身元がわかる所持品は無いですが、見た目から年齢は50~60代に見える。

変わった状態で発見されたことで、警察の捜査の方向性も定まりません。
まずは、被害者の女性はどこの誰なのか。

捜査が進むとたくさんの関係者、被疑者が登場します。
そして被害者の女性が誰なのかも分かるのですが、他の登場人物達との関係性が見えてこない。
この人間関係の繋がりに気づけたら、事件は即解決となることでしょう。

死は突然にやってくる。
事故であったり、天災であったり、病気であったり、事件であったり。
遺族達はその死をどう受け止めるのがいいのか、について考えさせられます。

自分をこんな酷い目にあわせた奴の家族も苦しむべきだ!
自分はあの事件で受けた傷が癒えていないのに、もし幸せそうにしていたら許さない!
そう思って、人生を狂わせた相手の家族の様子を探りに行ったら、茫然自失の状態でぎりぎり生きているような状況だった。
様子を見るまでは苦しめと思っていたのに、実際に見たら自分が悪者のような気がして背を向けてしまう。
人生がうまくいっていない時、自分は不幸だと思っている時は視野も心も狭くなりますからね。
わかるけど、それじゃあ負の連鎖が続いちゃうんだよな~
でも自分がその立場だったら、そんなきれい事は言えないんだよな~ムム。

作中にはSNSでキラキラを盛ることに一生懸命な人が登場します。
幸せに暮らしている人って思われたい、その為に演出には余念がない。いきすぎるとこわいですね。
SNSが普及したことによる新たな病気とも癒えるでしょう。
ぶちおは生で見たもの以外は、どうとでも加工出来ると理解しているのでフィクションの世界として楽しんでいます。
ダメだぞ、わけのわからん見栄をはるのは!

三ツ矢と田所は、被害者が最後に見たものを、何を思っていたかを辿ることは出来るのでしょうか。

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まさきとしか作品

『彼女が最後に見たものは』を読んで、まさきとしか先生の作品を選書しました。

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『あの日、君は何をした』
彼女が最後に見たものはの前作です。
こちらも、どうして亡くなることになったのかを三ツ矢がとことん掘り下げます。

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『完璧な母親』
「あなたの子供は幸せでしょうか」と書かれた手紙が――。母の愛こそ最大のミステリ。
親子の関係性は千差万別。普通がないからこそ、見失いやすいのかもしれません。

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『玉瀬家の出戻り姉妹』
帰ればそこに家族がいて居場所がある。実家大好き小説誕生。
心が落ち着く居場所は大事ですよね~ぶちおは愛鳥がいる場所が帰る場所です。

屑の結晶 (光文社文庫)

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『屑の結晶』
小野宮は女性二人を殺した真犯人なのか――。総毛立つラストが待つ傑作!
弁護士が感じる違和感の正体は。
言いたい放題、やりたい放題の屑は何を隠しているのか。

番外編

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『新しい上司はど天然』
三ツ矢と田所のすれ違いのほっこり感。
こちらの作品からもほっこり接種可能です。
三ツ矢もちょっと天然なところありますし、田所の部下らしい気遣いが空回るあたりもあります。
なんだかんだでいいコンビには癒されます。

まとめ

『彼女が最後に見たものは』
自分が死んだ時に、泣く人がいないなんて寂しいじゃないですか。
身元不明の女性には、泣いてくれる人はどれくらいいたのか。
廃ビルに放置されてこんな死に方で、幸せといえる人生だったと言えるのだろうか。

すべての輪が繋がって、改めて被害者のことを思う時、ぎゅ~っとなります。

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