ぶちおです。
おすすめ小説のご紹介です!
今回は『美術調律者・影』シリーズ3作をまとめてご紹介しようと思います。
脳内でやばグロ美術展を開催したい場合には、ぴったりな作品かと思っています。
悪の親玉と、対峙するのは繊細な芸術家。
作者は倉阪鬼一郎先生、ミステリから時代小説、幅広く執筆されています。
目で、耳で、あらゆる感覚を襲ってくる悪意ある美術品からは逃げることはできないのです…
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こんな人にオススメ
☆美術、音楽、芸術分野に興味がある
☆線の細い青年画家がもえる
☆とんでもない怪物と戦いたい
☆グロ描写も平気
ぶちおの読書感想文
KADOKAWAホラー文庫刊『美術調律者・影』シリーズ3作を時系列順に紹介しつつ感想を添えていこうと思います!
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『赤い球体 美術調律者・影』
シリーズ1作目です。
ネット本屋をふらぁ~っと彷徨っている時に出会いました。
暗いながらも、気になる表紙…
見ると3作配信されていたので、イッキに本棚へ。そしてぶちおの積ん読の一部と化していました。
が!やっと読破する時が来ました!唐突にw
主人公は表紙の青年、影(えい)です。
日本人離れした容姿で、色々と繊細、世界で賞も獲得する画家です。
大学に籍をおきつつ、いつもはアトリエ兼自宅の地下室でアート活動に励んでいます。
幼少期に体験した事件がトラウマになり、懇意にしている美島画廊の一家にお世話になっています。
美島家の光と明の兄妹は、影のよき理解者です。
『赤い球体』では、巷で人気のアイドルグループM13にまつわる怪事件が起こります。
M13はメンバーの素性が明かされておらず、
1人だけ存在しないメンバーがいるというふれこみで人気が急上昇しています。
ファンだけでなく、日本全体が存在しないメンバー探しに興味があり、リリースされる曲はどんどんヒットしていきます。
M13のプロデューサーの真の思惑に気付いた影たちは、調査を始めます。
いやに耳に残るフレーズ、CDのジャケットには禍々しさすら感じる赤い球体が描かれています。
悪の権化ともいえる芸術家との対決がはじまります。
曲のフレーズも、ジャケットの元絵も、芸術家・黒形上赤四郎の産物です。
赤四郎は自分こそ神で、自分以外の者すべてを睥睨するタイプの芸術家です。
彼が残した作品はモチーフから不気味で、いわくだらけ。
絵には人間の血を使用している。
絵筆の代わりに、切り落とした人間の四肢を使用している。
呪われた絵は、見ただけで精神崩壊をおこしてしまう人もいるくらいです。
影たちは赤四郎の作品を広めて事件をおこしている元凶、
M13のプロデューサーを止めることは出来るのでしょうか…
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『黒い楕円 美術調律者・影』
赤四郎は、死んでいるのか、いないのか。
人間という次元をこえたと言われているが、そんな怪物と人間が戦うことは可能なのか。
芸術家として活動していた赤四郎の回顧展が開かれることになります。
描く作品、生み出す芸術品のすべてが禍々しく、観覧した人が変死した過去もあります。
犠牲者は数え切れないほどです。
だからこそ、今まで開かれることのなかった黒形上赤四郎の回顧展を有名デザイナーが計画します。
いわくありといえど、科学的な根拠もないため、赤四郎の回顧展を中止させることは難しく、今回も影たちは静かに調査を開始します。
モチーフは、黒い楕円。
目のような、歪んだ円はあらゆるところに描かれています。
回顧展が開催される前に、警備のバイトをしていた青年が会場内で変死します。
しかし予定通り、回顧展は開催されます。
来場者に無料で貸し出される音声ガイド、その音声は赤四郎の肉声です。
作品の解説ではなく、赤四郎の詩が朗読されたり、気味の悪い戦慄が流れたり…
回顧展の学芸員も、恐ろしいモチーフの絵を見続けたことで壊れていきます。
影たちと赤四郎の戦いも本格的になります。
見るだけで頭がおかしくなると言われる美術品、興味本位で見る人もいますし、ふと目にしてしまう人もいます。
身近なところに、気付かせることなくひっそりと赤四郎のモチーフは蔓延していました。
知らず知らず脳が侵食されていって、奇行に走る。
赤四郎の悪意と、赤四郎を信奉する者たちを止めることができるのは世界を調律できる影だけですが、赤四郎のチート級の強さに苦戦します。
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『白い封印 美術調律者・影』
赤四郎の家系について、そしてそこで起こった事件について明かされます。
黒形上赤四郎、本名は形上四郎。
死ぬ前は3人の女性と暮らしており、その女性たちを犠牲にして絵を描き上げています。
完全な密室で赤四郎と思われる遺体もありました。
しかし、頭部と心臓だけがどこを探しても見つからないままです。
完全な密室で、どうやって消失がおこったのか。
このことから、赤四郎は死んでいない説があったりもします。
四郎という名前の通り、四男です。
上に3人の兄がいますが、全員変死しています。
長兄の太郎は怪しい宗教団体を束ねて、何人もの信者を手にかけた後に死亡。
四郎の母親も、四郎を産んですぐに他界、父親もその半年後に死亡しています。
今回の仕掛け人は、ペンションを経営しているオーナーです。
赤四郎のアトリエ跡地の近くで、ひっそりとペンションを経営していますが、
赤四郎の信者なので、ペンションの利用者や通販の顧客に罠を仕掛けまくっています。
真っ白い壁に隠された、新たな呪いに影は勝つことができるのか!?
3シリーズを通して、悪の大ボス黒形上赤四郎と、赤四郎を信奉して考えに同調する仕掛け人がいます。
仕掛け人の罠には誰も気付くことは出来ず、知らないうちに死に至るように操作されます。
自殺をさせられる者、他人を傷つけ殺害する者、理由も分からぬまま命を奪われる者、
赤四郎の美術品は加害者も被害者も量産していきます。
赤四郎の策略に気付き、阻止することが出来るのは影だけ。
小食、運動不足、ちょこっとコミュ障の影の成長も応援してあげましょう!
ぶちおは美術が2だったので、絵の描き方とか全然わかりませんが作品を通じて美術知識を少し得ることができました。
美術展にも行ったことはあるので(一応いい年なので当然ですが)想像もしやすかったです。
見たら死ぬ絵とか、聞いたら死ぬ曲とか、気になっちゃいますよね。
それが人間の本能だから厄介です。
赤四郎の思惑に、気付いたらはまってしまうのは仕方ないのかもしれない…
美術の怪物には、美術で打ち克つしかない!
こんな作品もおすすめ
『美術調律者・影』シリーズを読んで、ぶちおに美術の知識を与えてくれた作品を選書してみました。
といっても、どんな角度で美術を学んでいるんだ!!と自分でも驚きます。
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『金田一少年の事件簿 File(13)』
あ、油絵ってそんな二重底みたいになっているんだ~と教えてくれた作品です。
水彩画しか描いたことがないので、驚きの事件でした。
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『名探偵コナン(3)』
パンが消しゴムの代わりになるの?!とびびりました。
名探偵になるには、あらゆる知識がないといけないんだと実感しました。
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浮世絵で飯が食えるよう、アシスタント達も大事にした国芳を紹介している番組を見たことがあります。
大迫力作品から、だまし絵、突き抜けるユーモア、可愛いにゃんこなど、国芳パねぇ!と尊敬しています。
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『怖い絵』
絵画考察の面白さを教わりました。
描かれている人物の目線、光の当たり具合など、知れば知るほど脳汁ぶしゃります。
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『ゲゲゲの鬼太郎 カップ & ソーサー バックベアード』
本ではありませんが、『美術調律者・影』シリーズを読んでいたら、赤四郎ってバックベアードみたいだなぁ~と思いました。
世界を覆う圧倒的な悪の権化といいますか。
親玉やべえ!勝ち目ないんだけど!という記憶がリンクしたのだと思います。
まとめ
『赤い球体 美術調律者・影』
赤四郎が作り続けた美術品に仕掛けられた罠は、いつまた犠牲者を出すか分かりません。
信奉者が悪用する可能性もあり続けます。
影は赤四郎をまるごと封印しなければなりません。
美島兄妹と力をあわせて、邪悪な芸術家を滅してほしい!
実はラストとなる4作目は紙のみで発売されています。
出版社も変わっているので、気付くのに時間がかかりました。
なかなか手に入りづらい…電子化希望です!
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