ぶちおの本棚

『神様の裏の顔』通夜で顔をあわせた面々、故人を偲ぶ中、ある疑惑が広がっていく。

2022年12月17日

ぶちおです。
おすすめ小説のご紹介です!

今回は『神様の裏の顔』
ふわーっと電子書店を彷徨っていて、出会った作品です。(ミステリーのセールでした)
後から知ったのですが、第34回横溝正史ミステリ大賞受賞作です。

通夜で故人を偲んでいたら、故人の罪の疑惑が浮上…!?

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こんな人にオススメ

☆くるくる展開をひっくり返されたい
☆お笑いエッセンスも欲しい
☆推理したい
☆ぞっとしたい

書籍概要

◆作品名  神様の裏の顔
◆著者   藤崎 翔
◆出版社  KADOKAWA

神様のような清廉な教師、坪井誠造が逝去した。その通夜は悲しみで包まれ、誰もが涙した――と思いきや、年齢も職業も多様な参列者たちが彼を思い返すうち、とんでもない犯罪者であった疑惑が持ち上がり……。

Amazon『神様の裏の顔』作品内容より

ぶちおの読書感想文

『神様の裏の顔』
作者の藤崎 翔先生は、元お笑い芸人と!
時折、ふふっと笑ってしまう文章は、お笑い芸人のスパイスだったんですね。
そして茨城出身ということで、ぶちおの親近感あがっております。
もしかしたら、どこかですれ違い通信していたかもしれません。

坪井誠造の通夜に参列した、坪井誠造にゆかりのある人々の思い出を辿っていくミステリーです。
焼香をして、通夜ぶるまいで食事をしながら、故人との思い出を振り返ります。
一度は葬儀に参列した人だと、この状況はよく分かると思います。

坪井誠造は、曰く神様のような人。
参列人数も多く、大半の人は泣いて故人の死を悼みます。
その様子を見て、あらためて坪井誠造の生前の素晴らしい思い出を懐かしみます。

坪井誠造は教師をしており、晩年はアパートの経営もしていました。
定年後も法人の手伝いをしながら、庭で家庭菜園にも勤しんでいました。
うん、普通にありそうな男性の暮らしです。

参列した主要人物たちの、それぞれがもつ坪井誠造との思い出。
娘は父の教師像に憧れ、自分も教師の道を選びます。
教え子は学校生活の中で指導をうけて、恩師と仰いでいます。
元同僚の教師は、公私ともに相談を聞いてもらい救われました。
駆け出し中のお笑い芸人は、格安で家を提供してもらいライブのチケットも買ってもらいました。

遺影を見ながら、各自が思い出すのはまさに神様のような存在。
が、それぞれの思い出に少しずつ不可解な部分があります。
些細なことですが、別れの場になって脳裏をよぎる謎…

教職を辞めるきっかけとなった児童が、見知らぬ人物に襲われたこと。
久しぶりに再会した海岸で、1人の児童が事故で亡くなったこと。
夫の介護疲れを相談した数日後、夫が徘徊中に亡くなったこと。
恋人と別れた直後に、異常なストーカー被害がおこったこと。
などなど…

坪井誠造の人柄を思えば、これらの犯罪に関与しているなんてありえない。
でも、なんでだろう。
こんな通夜の場になって、ふつふつと疑惑が噴出してくるのは…

主要人物たちは、互いに少しずつ自分の中にあった疑惑を打ち明けていきます。
そして坪井誠造の裏の顔が、暴かれて…

ミステリーとしては読みやすくて、ご機嫌でページをめくれました。
難しく考えることもなく、笑いながら坪井誠造の暗黒面を追っていけばいいのね~
と思っていたのですが、そこは最後にちゃぶ台返しがありました。
いや最後、本当にぞわっと。
ぶちお、基本は名探偵になりたいと思いつつ読書しているので、違和感を発見した時に本当に鳥肌でした。
え、こうなってるってことは、まさか…?!
このゾワゾワがたまりません。

いい人の模範のような男。
坪井誠造とは、本当はどんな人間だったのか。

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『神様の裏の顔』を読んで、お葬式関連漫画を選書してみました。

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まとめ

『神様の裏の顔』
いい思い出だけを胸に、送り出すことが出来たら…

誰でも二面性をもっているとは思います。
しかし皆が気付いてしまったのは、彼は犯罪者だったのではないかという一面。
聖人のように振る舞っていたのは、凶悪な犯罪者のマスクを隠すためだったのか…
それとも、皆の思い違いなのか…

こんな偲び方があってもいいのかも、しれない。

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