ぶちおの本棚

『変な地図』あのくぐもった声の持ち主の若かりし頃の調査録。鋼メンタルの下に隠されていたのは…

ぶちおです。

今回は『変な地図』をご紹介しようと思います。
雨穴先生の『変な~』シリーズの最新作!
待っていましたとも、そして予約してポチり。
イラストも多いので、想像も捗りやすい。

不気味な地図を通して知った事実に、ホロリも。
あの栗原さんが、こんな感じだったとは!

変な地図

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こんな人にオススメ

☆『変な~』シリーズのファン
☆古い地図の謎とか大好き
☆廃村にもひかれる
☆次々に起こる怪事件を栗原青年と推理したい

書籍概要

◆作品名 変な地図
◆著者  雨穴
◆出版社 双葉社

主人公はあの栗原さん!! 
『変な家』『変な絵』に続く、雨穴「変な」シリーズの集大成! 

2015年、大学生の栗原は、意外な事実を知る。
彼の祖母が、正体不明の古地図を握りしめて、不審死を遂げたという。
その古地図には、7体の妖怪が描かれていた。
これはいったい何なのか。なぜ、祖母は死に際にこんなものを持っていたのか。
謎を探るため、栗原は旅に出る。 

そこに待ち受けていたのは、海沿いの廃集落、不可解な人身事故、潰れかけの民宿、因縁に満ちたトンネル、そして古地図に秘められた悲しい事実だった――。 

祖母はなぜ死んだのか? 
妖怪の正体は? 
ホラー、ミステリー、サスペンス、冒険、青春、恋愛…… 
2024年書籍売り上げ1位! 雨穴が送る異形の王道小説。 

ぶちおの読書感想文

『変な地図』
ぶちおの好きなシリーズなので、発売前からそわそわ。
そうしていたら、YouTubeにとある動画が。

それはもうすぐに見ましたw
本書を読む前に見ることを想定している動画なので、読了前に見ても全然問題なかったです。
前日譚というか、本書のあとがきに通じる感じで雨穴さんと栗原さんのやりとりのエッジが増してて最高でした。
栗原さんってこういうズバっとした物言いで、雨穴さんだからやれてるんじゃないかと思うような人柄。
悪い人じゃないけど、言葉だけだと勘違いされちゃう。
人はそんなに変われない。
変わらない。

栗原さんの人格形成は何によるものか。
こんな栗原さんも就活に悩み葛藤していた時期がある。
『変な地図』は栗原青年の成長譚ともいえました。
ただただ不気味な地図1枚で、胸アツな真実があるとは…

本書にはイラストがふんだんに盛り込まれています。
紙の書籍だと地図をべろっと広げられる仕様。
電子書籍でも1枚絵のものはそのまま再現されています。
冒頭にある古地図とか、母娘山周辺の地図とか、なめまわすように見ましょう。
絶対に何かあるから!
これに気付ければ問題解決するんだから!

栗原青年は亡き母が調べていた祖母の古地図の調査をします。
かなり古く見える地図、山の中には7体の妖怪のような気味の悪いイラスト。
山の麓の集落の描写には山に向かう女、たくさんの石塔。
これらが示しているものは何か。
何を伝えたい地図なのか。

さらに調査をしている栗原青年の周囲で不可解な事件が。
トンネル内を走行している電車が人にぶつかった。
運転手の証言だと、人が急に現われたというが。
古地図に書かれていた妖怪たちが描かれている山の中のトンネルで人身事故。
これも古地図に関係していることなのか…

冒頭から怪しいことが多すぎて、あっという間に読了しましたとも。
自力で古地図の謎を解きつつも、仕掛けが多くて暴ききれなかったw

栗原祖母、母といったもう亡くなっている人達の物語も気になっちゃうし。
それほど深い描写はないですが、彼女達の生き様が濃いからこそ栗原青年にも影響大だったんだろうと。

なんといっても古地図!
すべては古地図にはじまり、古地図に終わるのです。
7体の妖怪、当時の信仰の対象だったとしたら、何を表わしているのか。
そのまま受け止めるなら、山には妖怪がいるから気をつけろ。立ち入るなということか。
だとしてもそう伝えられる元になった出来事があるはず。
栗原青年とともに地図の場所を訪れて、山も海も草木も風も脳内イメージ。

地図を読むのが得意な人は有利かもしれません。
こんなことなら、社会の授業をもっと真面目にやっておくべきじゃった。
く…山も登らない。海も泳がない。生活圏以外の場所に興味があまりないというのが謎解きの足かせになるとは。

ある手記を読者は読むことになるのですが、それももちろん謎解きの鍵がどこかに…
あらゆる出来事が最終繋がるので、ネタバレにならないことだけチョイスするのが難しいくらいw
何でもない日常パートにも気を抜いてはいけません。

人間ってなんでこういうことするんだろうね、が分かれば簡単なのですが。
本人でも思ってもいない行動しちゃうことあるもの。
同じ出来事でも人によって感じ方は違う。
周囲から見たら哀れと思っても、当人は一切そんなことを感じていなかったり。
幸せの判断とか、他人がしていいもんやないなと。
気付かないうちに、勝手に他人を自分の概念に当てはめちゃう。

栗原青年が古地図を追った数日間の冒険。
妖怪たちへの印象がガラッと変わるかもしれません。

読了しても、考察は止まらない。

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