ぶちおの本棚

『エレファントヘッド』急展開の連続すぎて。何をどこから整理すべきか混乱。でもそのカオスが楽しくなってきた!

ぶちおです。

今回は『エレファントヘッド』をご紹介しようと思います。
とんでもないことしか起きなかった衝撃作でした。
推理するのも常識を1回手放す必要がありました。

チャート分岐していくゲームが好きだと、理解しやすいやも!!

エレファントヘッド (角川書店単行本)

新品価格
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こんな人にオススメ

☆難しい理論とか考えたい派
☆とんでもないサイコを感じたい
☆普通じゃない連続殺人を追いたい
☆グロさ、エロさ、ばっちこい

書籍概要

◆作品名 エレファントヘッド
◆著者  白井 智之
◆出版社 KADOKAWA

本格ミステリ大賞受賞の鬼才が仕掛ける、空前絶後の推理迷宮。

精神科医の象山は家族を愛している。だが彼は知っていた。どんなに幸せな家族も、たった一つの小さな亀裂から崩壊してしまうことを――。やがて謎の薬を手に入れたことで、彼は人知を超えた殺人事件に巻き込まれていく。

謎もトリックも展開もすべてネタバレ禁止!
前代未聞のストーリー、尋常ならざる伏線の数々。
多重解決ミステリの極限!

ぶちおの読書感想文

『エレファントヘッド』
白井先生作品は以前『人間の顔は食べづらい』を読みました。
※読書感想文はこちら
その作品は食糧難を何とかするために、自分のクローンを培養して食べるという文化ができあがっている世界でした。
非道徳さを感じつつも、理にかなっているなと思ってしまうのが不思議。
そう、このインモラルさと何故か筋が通っている道理の矛盾さが同居している、
これが白井先生作品のピカピカポイントだと思っています。

ありえないことを肯定してからでないと先には進めない。
推理をするには柔らかい思考が必要です。

書誌にあるように、全編ネタバレ禁止というのも納得です。
というか、かいつまんだ説明がほぼ不可能w
章が進むごとに展開が目まぐるしく変化しますし、もう本書を読了するしか理解できないぞと!
久しぶりに使っていない脳が刺激された気がしましたもの。

これは何の事前情報もないので読むのが一番よいです。
なので、ふんわりガワの情報からの感想文となります。

主人公は精神科医の象山(きさやま)。
妻と2人の娘がいて、順風満帆な生活を送っています。
妻はタレント業を細々としていて、長女は大学生、次女は高校生。
ある程度手を離れているので娘達も自分のやりたい事を謳歌しています。

職場では精神科医として、患者の対応をする日々。
軽い症状の患者もいれば、入院措置が必要な患者もいる。
症状によっては入院も軽度から重度の対応まで。
妄想に取り憑かれている患者の話を肯定しつつ、今後の処置を考える。

プライベートも仕事も、何の問題もない。
そんな象山が唯一恐れているのは、幸せな家庭が壊れることだけ。
それは象山の子ども時代に起因しています。
どんなに幸せでも、ちょっとしたヒビからあっという間に修復不能になってしまう。

この恐れがとんでもない事件の引き金になります。
幸せすぎて怖い、みたいなセリフがありますが、頂点を極めたら落ちるのみ。
栄枯盛衰。
昇った太陽もいつかは沈んでいく。
権力者とかも怯え続けますから、テッペンを取ったとしても。
誰でも持っている感情ではありますが、象山の場合はちょっと行きすぎている面も。
家族を守るためにとる行動が、裏目に。

いい奴だと思っていたらサイコだったり。
逆にイカレていると思っていた人が、謎を解明してくれたり。
主人公もありえない事の連続で、自分自身を信じられなくなっていきます。

ところで、ぶちおはノベルゲーム、アドベンチャーゲームが好きです。
『かまいたちの夜』とか『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』『SIREN』とか。
何回もシナリオを読んで、色々なエンディングを迎えることで物語全体をやっと把握できるという。
あの時はこの選択肢を選んだけど、もし違う選択肢を選んだらどうなっていたんだろう。
あの時にこの人物がいなかったのは、裏でこういうことをしていたからなんだ、とか。
アイテムを使うタイミングでルートが分岐することもあります。

そんな作品が好きなら、本作もマッチすると思います。
各人物の見たもの、話したこと、体験したことを時系列でまとめていくのが得意だともう垂涎ものやもしれません。

本作はエログロ表現もしっかりこっくり書かれています。
想像すると、ちょっとオエッとしちゃうかもしれない。
でも!それを乗り越えて描写通りに想像することが大切です。
目を背けてはもったいない!
とんでもない細かい肉塊の表現があっても、想像するだけで自分の体も痛いと錯覚してしまうような表現があったとしても。
意味があるので!
ぶちおも一カ所ではありますが、ヒントをもぎ取りましたもの。
あれ?この表現だと何か物足りないような…と思っていたら案の定じゃった!

全てが伏線という言葉に偽りなしです。
あの時のあれも、この時もそれも、まさかの真相解明に必要だったもの。

普通では起こりえない事件、犯人といえるのは誰か。
もしかしたら観測者がいるのか。

読みながら『ジョジョの奇妙な冒険』の第2部のあるシーンを想起していました。
虚しさ、苦しみ、諦め、でも完全な絶望ではない。

エレファントヘッドの狂人は誰だったか。

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