ぶちおです。
今回は『ミステリ作家 拝島礼一に捧げる模倣殺人』をご紹介しようと思います。
作品が売れるのは嬉しいことですが、作中の殺人を模倣する輩が現われたらたまったものじゃない。
作品が悪いのか。
作者が悪いのか。
フィクションを現実と混同する奴が悪いに決まっているんだけど、世論には暴論も溢れてきて…
作家と1ファンが、許せない模倣犯を追いかけます!
ミステリ作家 拝島礼一に捧げる模倣殺人 (メディアワークス文庫) 新品価格 |
こんな人にオススメ
☆推しの作家がいる
☆ファンの立場は弁えていたい
☆どんでん返しはくらいたい
☆偏屈なイケメンが好き
書籍概要
◆作品名 ミステリ作家 拝島礼一に捧げる模倣殺人
◆著者 野宮 有
◆出版社 KADOKAWA
天才ミステリ作家と週刊誌記者が立ち向かう、おぞましき猟奇事件。
謎に包まれた天才ミステリ作家・拝島礼一の代表作「絵札の騎士」を模倣した連続猟奇殺人事件が発生。
新米週刊誌記者の織乃未希は、唯我独尊な拝島に半ば強引に協力を求められ、秘密裏に事件を調査することになる。
"原作者"としての強みと推理力で事件を紐解いていく二人だったが、模倣犯が仕掛けた狡猾な罠や、世間に渦巻く"正義"という呪いが容赦なく襲い掛かってくる――。
壮絶な頭脳戦の果てに、二人が辿り着く驚愕の真相とは?
ぶちおの読書感想文
『ミステリ作家 拝島礼一に捧げる模倣殺人』
コピーキャットしてますか?
ぶちおは、まずマネをすることからすべてが始まると思います。
何をするにもマネるのが手っ取り早い!
職場でのレクチャーの場でも感じます。
教えた通りに出来ない人は、ぶちおの中では凡人以下判定をしています!
教えたことをそのまま適格にできる人は、能力が高いでしょう!
何もわかっていない時は、模倣こそ上達の近道です。
独自性をプラスするのは模倣を終えてからでも遅くありません。
マネすること自体がエンタメになっていたなぁ~とくに小さい頃は。
おままごとでは家庭内人物像のマネをして、
アニメや漫画のキャラをマネして、
学校では先生のマネをして。
観察力と体現力が問われます!
マネ、模倣にもいろいろなタイプがあります。
ゲームや小説の中で起きた殺人を模倣する奴なんているわけない…
犯罪になることや人に迷惑をかける行為を、模倣して実行するわけがない…
本作では、拝島礼一の作品『絵札の騎士』に登場する連続殺人鬼の犯行を模倣した事件が起こります。
被害者の近くにはトランプカードが署名として残されている。
被害者のポージングは、作品の表紙の構図を表している。
『絵札の騎士』は大ヒットした作品なだけに知っている人も多い、故に模倣犯が出てしまったとなって大騒ぎになります。
小説の内容を模倣して殺人を実行する犯人が悪いのですが、それ程の影響を与える作品を生んだ拝島自身への批判も高まります。
即刻発禁にするべきだ!
犯人は拝島本人なんじゃないか!
ある出版社のゴシップ担当をしていた織乃は、拝島批判の風潮に憤慨します。
批判をしているのは拝島作品を理解していない、てか読んでもいないだろ、適当言うな!
私は拝島作品で人生救われたんだと。
織乃の気持ちに共感しました。
人の創作物を模倣して、作者に迷惑かけている奴なんてとっちめるべき。
模倣犯を突き止めるために拝島と一緒に行動する織乃。
ひねくれている拝島と真っ直ぐで裏表のない織乃とのやりとりが何だか可愛らしいw
リアルでも、ありえること。
というか、今までにもそういう報道を見たことありますもの。
重大な犯罪を起こした犯人の家を捜索したら、刺激の強い映画やゲームや漫画が出てきたら大騒ぎ!みたいな。
こんなものを見ているから、事件を起こしたんだ、つまりは作品が悪影響を及ぼしたんだという流れ…
いやぁ~フィクションだよ。
あくまでエンタメだから。
それを理解していない人が一定いるかもだけど、それは受け取り手の問題ではないか?
創作を現実と混同して暴走してしまうような人は、遅かれ早かれ何かやらかしていたのではないか。
ぶちおは映画『SAW』大好きっこで、犯人のジグソーが言わんとしていることも何となくわかります。
だからといって「よし!ジグソーになって人を○ってやんよ」「ジグソーの望んだ世界にするのはおれっちだ」とは微塵も思いません。
グロいシーンでは痛みしか感じないからこそ、誰かに同じ様なことをやってやろうとは思わない。
やっちゃいけないことだというのは分かっています。成人なんでw
それでもグロシーンがしっかりめな作品が好きなのは、恐いもの見たさや再現度の高さを楽しんでいます。
作中で、そもそも誰も傷つかない物語なんてあるのかという提示があります。
それな!
桃太郎だって、深掘りしていったら理不尽なことあるし。
鬼側も迷惑だよ、急に島に乗りこまれてボコられて宝を奪われて。
もう少し遡ると、川で流れた桃を黙って取っていくおばあさんは窃盗じゃないのか?
おじいさんも共犯になる。
多様性の時代に全方向に優しいものなんて、あるのでしょうか!?
作者として、拝島と織乃は模倣犯を追い詰めます。
そして、気づくと形勢逆転されている。
模倣犯が望んでいるものは何か。
作者が完成させて物語を、模倣犯が陵駕することは出来るのか。
拝島が、しっかり落とし前をつけてくれるでしょう。
ミステリ作家 拝島礼一に捧げる模倣殺人 (メディアワークス文庫) 新品価格 |
こんな作品もおすすめ
『ミステリ作家 拝島礼一に捧げる模倣殺人』と同レーベル、メディアワークス文庫のミステリ作品から選書してみました。
新品価格 |
『何かの家』
湧き起こる違和感の数々。あなたは果たして気づけるか――
その家には約束事がある。それは“決して一人で入ってはいけない”ということ――。
――これは、家にまつわるひと夏の物語。
新品価格 |
『絶対城先輩の妖怪学講座』
彼女の名前は湯ノ山礼音。原因不明の怪奇現象に悩まされており、資料室の扉を叩いたのだ――。
四十四番資料室の妖怪博士・絶対城が紐解く伝奇ミステリ登場!
オーダーは探偵に 謎解き薫る喫茶店 (メディアワークス文庫) 新品価格 |
『オーダーは探偵に 謎解き薫る喫茶店』
どんな謎も解き明かすそのドSな 『探偵』 様と、なぜかコンビを組むことになった美久。
謎解き薫る喫茶店で、二人の騒がしい日々が始まる。
新品価格 |
『生贄のジレンマ』
「今から3時間後にあなたたちは全員死にます。ただし生き残る方法もあります、それは生贄を捧げることです――」
最初の“犠牲者”が出たことにより、それは紛れもない事実であることを知り……
まとめ
『ミステリ作家 拝島礼一に捧げる模倣殺人』
ラストに向けてのどんでんは2回くらい。
最初のどんでんは見抜けましたが、その後もう一回畳み込まれるとは!
言葉は少なく、観察眼は鋭く、コミュ能力に難あり、正論パンチを打ち込んでくる。
人気ミステリ作家の魅力をぜひ。
ミステリ作家 拝島礼一に捧げる模倣殺人 (メディアワークス文庫) 新品価格 |
~ぶちおのYouTubeはこちら~
~ぶちおのグッズはこちら~
📚ぶちおの本棚記事一覧はこちら
🐥鳥記事一覧はこちら
🌞日常記事一覧はこちら
✨劇団四季一覧はこちら