ぶちおです。
おすすめ小説のご紹介です!
今回は『謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー』
発行が2017年なので、2024年だと新本格誕生37周年?
読もうと思いつつ、もたもたしていたら7年も経っていました。
同シリーズの『謎の館へようこそ 白』を読んでからも少し間があいてしまった…
時の流れが早いのか、ぶちおが鈍ガメなのか。
黒、ということは白の物語よりもダーク味が強いということ?!とわくてかで読みました。
濃ゆい6編を堪能あれ。
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こんな人にオススメ
☆複数の作家の作品を一度に楽しみたい
☆館シリーズが好き
☆ホラー、グロ要素もいける
☆事件が起きそうな館を、いつか自分でも考案したい
書籍概要
◆作品名 謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー
◆著者 恩田陸/はやみねかおる/高田崇史/綾崎隼/白井智之/井上真偽./文芸第三出版部 (編集)
◆出版社 講談社
「館」の謎は終わらない――。館に魅せられた作家たちが書き下ろす、色とりどりのミステリの未来!収録作品:はやみねかおる『思い出の館のショウシツ』恩田 陸『麦の海に浮かぶ檻』高田崇史『QED~ortus~ ―鬼神の社―』綾崎 隼『時の館のエトワール』白井智之『首無館の殺人』井上真偽『囚人館の惨劇』
Amazon『謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー』作品内容より
ぶちおの読書感想文
『謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー』
6名の作家による、アンソロジーです。
6編を読んだ感想をさらりと記そうと思います。順序は本書内の掲載順にしていきます。
・『思い出の館のショウシツ』
子どもの頃に体験した不思議な出来事。
いつの間にか現われて、あっという間に消えてしまったツタで覆われた館の謎。
大人になった今、職場の先輩とともに当時の出来事の解明に挑みます。
作者ははやみねかおる先生!
小学校時代に一度は作品に触れたことがある方も多いのではないでしょうか。
子ども時代の冒険は大切です。
当時の視点でしか見えないものがあるんだと!
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・『麦の海に浮かぶ檻』
一般には知られていない、特殊な学校。生徒達も、訳ありな生徒が多い。
双子の前に現われた転入生は、口数少なく静かに絵をかいている。
人を拒絶して、人との距離感にも過敏に反応する転入生と、仲良くなりたい双子たち。
そして、〝彼女〟は命を落とす。
何ともいえない奇妙さを終始感じます。
読者もこの閉鎖された学校に囚われたかのように。
ミステリ、ヒューマンドラマ、ファンタジーとあらゆるジャンルを書ける恩田先生!
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・『QED~ortus~ ―鬼神の社―』
豆まきの準備中、神社の本殿内に現われた鬼。
鬼は何のために姿を現したのか。
気だるげな変人先輩が、するんと真相を見抜いちゃいます。
『QED』シリーズの高田崇史先生らしさがふんだんに。
豆まきって全国一様じゃないんだな~そもそも鬼ってなんだっけとか。
鬼は疫病説ありますよね。
疫病が流行ったら、収めるために神事に頼っていた時代。
日本人として知らないうちに染みついた価値観がわかるかもです。
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・『時の館のエトワール』
高校の修学旅行、宿泊先にまつわる不思議な噂。
〝時の館では、時間を遡ることが出来るらしい〟
噂が気になり時の館に泊まることにした主人公は、未来から来たという人物に遭遇します。
そして未来の主人公は、学生時代から付き合っていた夫によって殺害されると聞かされて…
このお話、好き!
端的に事実だけを見たら普通のことのようにも思えるのですが、動機を知るとなんとも言えない。
誰しもそういうこと考えた時ってあるよね~と。
ただ作中の女性陣のセリフは、ぶちおも言うだろうな~と共感100%の作品でした。
綾崎先生は不安定なお年頃のことを、凄くわかっていらっしゃる!
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・『首無館の殺人』
でっぷりと太らせた女性の世話をする3人の悪党。
しかもその館には、過去に凄惨な殺人事件があったらしい。
その噂の真相を確かめに来た女子高生3人組。
翌朝、3人の悪党達は過去の事件になぞらえたように首が切断された状態で発見される。
誰が犯人なのか。
密室の謎は解けるのか。
短編の文量の中に、信じられない程の頻度でゲロというワードが出てきますw
こんなにゲロゲロ言う作品に出会ったことはないですw
そりゃショッキングな死体見たら吐いちゃうのわかるし、吐いているの見てもらっちゃうのもわかるし。
まさかのそんなゲロがキーアイテムです。
このセンス爆発っぷりが白井先生イズムだと、ぶちおは認識しています!
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・『囚人館の惨劇』
バス事故にあうも生き残った乗客達は、近くにあった館で救助を待つことに。
この館はネットで話題にもなったいわく付きの館。
主人公の妹は事故のショックで自我を失っている状態の中、乗客の異様な死体が発見される。
四肢をもぎ取られ首もない。
もしかしたら、犯人は主人公の妹?
戸惑う主人公をよそに、妹の向かう先々で死体が出現してしまう…
このお話、一番好き!!
スプラッター的な恐怖と、まさか妹が犯人なのか?というまた違った恐怖感。
人間業とは思えない死体の状況、妹が犯人だとしてどうやってこんな惨い殺し方が出来るのか。
救助は来てくれるのか。
死体の謎の考察にくわえて、無事に生還できるのかも考えないといけない。
読者も気付くと追い詰められています。
からの、どんでん返し!
結末はもう泣いちゃったもの…
まさかのホラーテイストの謎解きからの、胸アツラストとは。
あれもこれも全部伏線だったんだなぁ。
いい作品じゃった。
探偵による犯人へのトリック返しを楽しめる『探偵が早すぎる』
井上先生のノーブレーキのミステリもどうぞ。
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まとめ
『謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー』
閉ざされた密室。
事件が起こる密室。
危うい密室を内包する館。
やっぱり、館があると何かが起こってしまうのが摂理と言えましょう。
館博覧会とかやって欲しいw
どの館のオーナーになるか、オーナーになれるならどんな館を建てたいのか。
妄想も捗る!
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