ぶちおの本棚

『殺人の多い料理店』謎を解くヒントは宮沢賢治作品にある。朗読会参加者が次々に…

2024年2月26日

ぶちおです。
おすすめ小説のご紹介です!

今回は『殺人の多い料理店』をご紹介しようと思います。
タイトルからもう、あの有名作品を連想しましょう。
宮沢賢治の『注文の多い料理店』、小さい頃から好きなおはなし。
レストランのお客として来たと思ったら、まさかの結末!

知らない宮沢賢治作品を、もっと知りたくなります。

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こんな人にオススメ

☆連続して事件は起きてほしい
☆主人公もヒリヒリ追い込まれてほしい
☆実は宮沢賢治作品をそんなに知らない
☆ちょっと切ない気持ちになりたい

書籍概要

◆作品名  殺人の多い料理店
◆著者   辻 真先
◆出版社  実業之日本社

盛岡のレストランで宮沢賢治の童話朗読会が開かれた。取材に赴いた夕刊紙記者・可能克郎は奇妙な出来事に遭遇。台本に賢治作品の贋物が紛れ込んでいたのだ。参加者を震撼させた“贋作騒動”は未解決。ところが二か月後、参加者の一人・倉村が変死する。朗読会に出演したタレント三木七重と参加メンバーの関係に不審を覚えた克郎は調査を進めるが……。

Amazon『殺人の多い料理店』作品内容より

ぶちおの読書感想文

『殺人の多い料理店』
宮沢賢治作品を、どれくらい知っていますか?
タイトルだけでなく、内容も説明できるものがどれくらいあるでしょう。

ぶちおは…3作品くらいwすくなw
『注文の多い料理店』『雨ニモマケズ』『よだかの星』。
前者2作は小学校か幼稚園かで読んだ記憶があります。
認知度爆高い作品ですもの。

でも、細部は忘れてしまっていることも多いです。
『注文の多い料理店』で扉の向こうの猫が複数匹いるとか。
『雨ニモマケズ』の最後はお経で終わっているとか。

『よだかの星』はこの曲きっかけで読みました。

Sound Horizon『よだかの星』

夜鷹(よだか)はみんなから疎まれて、いじめられている鳥です。
『鷹』という名前が付いているので、鷹から改名しろと言われちゃう可哀想な鳥…
鳥好きのぶちおは、号泣です。
ちなみに『みにくいアヒルの子』『はくちょうの王子』『幸福な王子』でも号泣です。
鳥のエリート情操教育を受けてきました。

夜鷹ってどんな見た目だろう?と検索してビビりました。
鳥だけど、見たことないフォルム感。
もふっとしていて可愛いじゃんと思えば、口が結構裂けているのでアンバランスさが凄いです。
是非、口を開いている夜鷹の画像を検索してください。

と、前置きが長くなりましたが、本作『殺人の多い料理店』では宮沢賢治作品が続々登場します。
各話のタイトルも宮沢賢治作品からとられていますし、キャラの相性も作品にちなんでいます。
連続して起こる事件も、宮沢賢治作品を模しているようで…

主人公の可能克郎は、知り合いの店で開催される朗読会に出席します。
宮沢賢治フリークとも言える参加者たちは、可能の知り合いとも旧知の仲。
朗読会が始まると、途中で客の1人が騒ぎ出します。
宮沢賢治の作品ではない物語が紛れていた…
ただのミスか、誰かの嫌がらせなのか。
それにしても、騒ぎすぎではないか?何かに怯えているような不審な様子。

この朗読会に参加していた客が次々と殺害されていきます。
酔って川に溺れてしまった?
入浴中に運悪くドライヤーを落として感電してしまった?
事故に見えるけれど、宮沢賢治サークルの仲間が次々に死ぬなんておかしい。

宮沢賢治作品の影が常につきまとっています…
可能は取材と称しながら、隠されたミッシングリングを探っていきます。
人物達の来歴を調べていくと、怪しさしかない。
でも動機は?

事件そのもの、
でいうとめっちゃサイコ!とか、トリックがハンパなさすぎてやばい!とかではなかったです。
事件がおまけに感じるくらいに、作中のあちこちで登場する宮沢賢治が気になってきます。

ぶちおも宮沢賢治に対してあっさ~い知識しかないと痛感しました。
独特な擬音語はもっと知りたいと思ったり。
意外とコワイ物語を書いていたり。
ちょっと深く知っていくほどに狂気も見えてくるような…
無欲で、若くして亡くなった人。くらいに思っていると、可能のようにファン達から怒られることになりますw

まさか殺人事件を通して、宮沢賢治を知っていくことになろうとは。
本を購入した時には想像もしていませんでした。

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本書は宮沢賢治「注文の多い料理店」の「現代語訳」です。
なんだかんだ、昔の日本語表記だと内容がはいってこないよ~という場合に。
そしてきっとまた、原文が気になってくると思います。

まとめ

『殺人の多い料理店』
宮沢賢治を知るきっかけに。
タイトルの通り、本当に殺人が多めです。
片手じゃ足りない被害者数…

著者の辻先生は、『名探偵コナン』の脚本もされているそうです。
そうなるとまたぞろ、本作が気になってくるのではないでしょう。

ちなみに、青空文庫で多くの宮沢賢治作品を無料で読むことが出来ます。
電子書店によっては、青空文庫のファイルを0円で配信しているところもあるので興味のある方は検索を。

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