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ぶちおの本棚

『禁じられた遊び』嘘からでた実、身から出た錆、蛙の子は蛙。妄執に囚われたモノは不死身なのか。

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ぶちおです。

今回は『禁じられた遊び』をご紹介しようと思います。
「第4回 本のサナギ賞」大賞作、
そして2023年、中田秀夫監督によて映画化という話題性にひかれて読みました。
ジャパニーズホラー万歳!

禁じられた遊び (本のサナギ賞受賞作) (ディスカヴァー文庫)

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こんな人にオススメ

☆戦う女性が好き
☆どこまでも落ちていく家庭の過程が気になる
☆執念はこわい
☆ちょっとロマンスも欲しい

書籍概要

◆作品名  禁じられた遊び
◆著者   清水カルマ
◆出版社  ディスカヴァー・トゥエンティワン

////////////2023年公開////////////
『リング』『スマホを落としただけなのに』の中田秀夫監督による待望の実写映画化が決定!
ママはもうすぐ生き返るよーー
「第4回 本のサナギ賞」大賞作
===
主人公・伊原直人は、妻の美雪、息子の春翔と共に幸せな生活を送っていた。
しかし、念願のマイホームを購入した矢先、美雪が交通事故で命を落とす。
絶望する直人に対し、春翔は「ママを生き返らせる」と、美雪の死体の指を庭に埋め、毎日熱心に祈りを捧げ出す。
同じころ、フリーのビデオ記者、倉沢比呂子の周囲では
「誰も乗っていないエレベーターが動き出す」「部屋の中にカラスの死骸が突然あらわれる」など奇怪な出来事が次々に起こり始めた。
直人の元同僚である比呂子はかつて、美雪から直人との不倫を疑われていた。
その際も奇怪な現象に悩まされ、精神を病んだ比呂子は、怪奇現象は美雪の持つ不思議な力のせいだ、と確信していた。
過去の経験から、今回も美雪の呪いのせいであると考えた比呂子。しかし、美雪はすでに亡くなっていることを知る。
事態の真相を明かすため、直人の新居を訪ねた比呂子は、そこであまりにも異様な光景を目にする…。
全国の書店員が選ぶ「世に出したい本」最新作は、恐怖が身に迫る本格Jホラー。

Amazon『禁じられた遊び』作品内容より

ぶちおの読書感想文

『禁じられた遊び』
本のサナギ賞とは、株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワンが主催する。未発表の作品を現役の書店員が審査・投票し、世に出したい作品を選ぶ賞のことなんだそうです。
ばれていない才能を日射しの中におまつるということですね。

全体を読んだ感じはたしかに、熟し切っていないかほりがしました。
これからどんどんと磨きがかかったら、ホラー好きのぶちおといえど夜のトイレに行けなくなりそうですw

本作、ぬっとりとしたホラーではありますが、途中から怪異と戦う女性に感情移入しまくちゃって、
ぶちおの中ではアクションジャンルになりましたw
わけのわからんバケモノに立ち向かう人って、応援しちゃいますよね。
ホラーゲーム実況のように、一緒に戦っている気持ちになりました。

主人公は伊原直人。
直人は妻の美雪、息子の春翔と3人家族です。
家族のために、会社から遠いベッドタウンに一軒家を購入します。
ローンを組んで通勤もしんどいですが、幸せな家庭に大満足な日々です。

ある日、トカゲの尻尾切りを目の当たりにした春翔に、直人はあるおまじないを教えます。
尻尾を土に埋めて水をかけて呪文を唱えると、尻尾からまたトカゲが再生されるというものです。
小さい春翔はその言葉を信じ、熱心におまじないをかけます。

ちょっとしたからかいのつもりでしたが、さらに直人は嘘を重ねます。
家の裏の森でトカゲを捕まえて、尻尾が埋められていたところにトカゲを隠します。
直人は土からトカゲが再生したと春翔を驚かせます。
この時、春翔の中では直人がついた嘘は、真実に変わってしまいました。

数ヶ月後、妻の美雪が交通事故で亡くなります。
春翔の目の前で無残にひき殺されてしまった美雪。
妻を失って途方に暮れる直人の前に、ほうけた表情の春翔は手の中の物を見せます。
小さな手の中には、美雪のねじ切れた指が…
トカゲが再生されたあのおまじなを、今度は美雪にかける春翔。
もちろん再生なんてするはずないと思っていた直人ですが、指が埋められた庭の土は少しずつ大きくなっていって…

もう1人の主人公、倉沢比呂子。
5年前まで直人と同じ会社で働いていましたが、とある事情により退職します。
普通のOLからビデオカメラマンに転職し、日夜カメラを携えて事件を追っています。
直人が既婚者であることを知りながら、ちょっと惹かれていたことも…
しかし、得体の知れない力に悩まされることになり、心を病み、一時は社会から断絶状態になっていました。

得体の知れない力の影響もなくなり、過去の自分と決別し、強く生きていこうとする女性です。
かっけええ!
しかし美雪の死後、またも比呂子の身の回りには不思議な出来事が立て続けに起こります。
5年前のことを思い出し、比呂子は今度こそ逃げずに戦うコマンドを選択します。

直人の家の庭に埋まっている存在に、うちかつことは出来るのでしょうか。

ホラーらしい恐ろしい描写もありますが、比呂子が負けずに戦う姿勢にグッときました。
人生をバケモノにめちゃくちゃにされてたまるか!という覇気といいますか。

お化け屋敷とかでもこのあたりの性格って出ますよね。
怖くて泣き叫ぶパターンと、怖くてケンカごしになるパターンw
モテを狙うならやっぱり「きゃぁ、こわ~い、助けて~」なのでしょうが、
人間として興味深いのは見えない幽霊に「やったんぞ!!」と啖呵切ってる方ですw

後半に向かうにつれて比呂子のヴォルテージもあがっていきます。
その気持ち、わかるぞ!
もう死んだんだから、大人しく成仏してくれよ!
この世にはもう、バケモノの居場所なんかないんだよ!
しつっこい!!!!

禁じられた遊びで生まれた怪物との戦いの行方は是非本書で。

こんな小説もおすすめ

『禁じられた遊び』を読んで、ホラー小説を選書してみました。

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ぶちおも好きな櫛木理宇先生の作品です。
洗脳され壊れてゆく家族の姿、気になります。

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『お化け屋敷で本当にあった怖い話』
本当の幽霊たちが働いているらしいですよ、お化け屋敷って。
作りものだと思っていても、中には本当の怪奇があるかもしれません。

まとめ

『禁じられた遊び』
逃げることを決して許さない、庭の土の下にいるアイツ…
ほんの軽い気持ちでついた嘘が、真実になってしまった時、どうすればいいのか。

土に還そうと思っても、土中に逃げて回復の時を待ち、
夜になるとその力を解放して、追いすがってくる。
離れた場所にいても、その力は強くなり命を狙ってくる。

正しい解決法も知らぬまま、生きる為には戦うしかない!

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