ぶちおです。
今回は『ペリリュー ─楽園のゲルニカ─』全15巻をご紹介しようと思います。
2025年12月にアニメ映画化もされました。
壮絶な戦地での日々が描かれています。
何のための戦いだったのか。
誰が褒めてくれる行いなのだろう。
若者たちを変貌させてしまったものの正体は。
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こんな人にオススメ
☆戦争の日常風景を垣間見たい
☆悲惨さから学びを得たい
☆理不尽さに唇噛みしめたい
☆平和っていいな
書籍概要
◆作品名 ペリリュー ─楽園のゲルニカ─
◆著者 武田一義/平塚柾緒(太平洋戦争研究会)
◆出版社 白泉社
昭和19年、夏。太平洋戦争末期のペリリュー島に漫画家志望の兵士、田丸はいた。そこはサンゴ礁の海に囲まれ、美しい森に覆われた楽園。そして日米合わせて5万人の兵士が殺し合う狂気の戦場。当時、東洋一と謳われた飛行場奪取を目的に襲い掛かる米軍の精鋭4万。迎え撃つは『徹底持久』を命じられた日本軍守備隊1万。祖国から遠く離れた小さな島で、彼らは何のために戦い、何を思い生きたのか――!?『戦争』の時代に生きた若者の長く忘れ去られた真実の記録!
ぶちおの読書感想文
『ペリリュー ─楽園のゲルニカ─』
本編11巻、外伝4巻、計15巻の作品です。
連載時からぶちおの上司はとても推していた作品。
あれから時が経ち、映画化となりました。
戦争を題材にした作品、なかなか重たくて見られないのですが本作は画のテイストが柔らかいので読みやすかった。
でも、戦争の暗部はしっかり描かれています。
爆散した体、銃弾の雨に晒された残骸などなど。
いくら柔らかテイストでも、眉間に皺が寄っちゃいますとも。
田丸は戦争に参加する前には漫画家を夢見ていました。
その能力を買われて、功績係に任命されます。
功績係とは戦死した者たちの死に様を本土の遺族に伝えるというお仕事です。
これがまた、罪深いというかなんというか…
遺族には美化して伝えるわけです。
全員が敵兵を撃って英雄のような死に方をするわけではないです。
敗走中に死んでしまう。
壕の中で休憩している最中に死んでしまう。
うっかり足をすべらせて頭を打って死んでしまう。
遺族にそのまま伝えるわけにはいかない。だから死に様を盛るわけです。
あなたのご子息は素晴らしい功績をあげて名誉の戦死を遂げました。
そう伝えられた方が遺族の無念もいくばくか晴れるだろうと…
優しい嘘、なんだけど事実湾曲ではある…
『進撃の巨人』の1話、遺族に「何の成果も得られませんでしたぁ」って言ってたのとは対極じゃ。
あれはあれで、調査兵団の評価が下がりまくっていたしなぁ。
遺族に本当のことをそのまま伝えるのも地獄。
嘘をまぶして伝えるのもいいことなのかどうか…
田丸は功績係をしながらも、戦地で戦いに参加します。
久しぶりに鬼畜米兵というワードに触れました。
そう、敵兵は鬼畜なんです。
やらなきゃやられる。
戦力が雲泥の差だとしても、目の前の敵兵1人を殺すことが誉れだと。
戦況はどんどん悪くなるのに、集団自決も許されずに過酷な状況を耐えろという上からの指示。
食べ物も水もない。薬もない。武器もない。
病死や餓死の人が多かったというのもやるせない。
なんのために日本を離れて戦争をしにいったのかと。
《お国のために》って一種の洗脳だったんではないかと。
愚策としか思えなくても、上の命令を守り続けた兵士を思うと。
無駄に死なせてしまったとしか思えんかった。
極限状態なので、日本軍同士だとしても不協和音が生まれます。
物資を奪い合う。
怪我をしたら、動けなくなったら置いていかれる。
何が敵かも判断できなくなっていくのが辛すぎる。
平常時なら異常なことでも、戦時中は許されてしまう狂気。
いっそ死んだ方がいいと願ってしまうのも、仕方のないことな気がしてきます…
でも!田丸は吉敷とともに生きて帰ろうと約束します。
一瞬で死んでしまうような状況の中で、日本に帰ろうと。
せめてこの2人だけでも助かってくれ!と願いながら読み進めました。
令和も物騒な話題が多い…
なんも学んでないな人間は…いや、権力もってる層が愚かなんか…
ぐぐっと奥歯を噛みしめて、ペリリュー島の記憶を糧にしていきますとも。
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