ぶちおです。
今回は『脳男』をご紹介しようと思います。
映画化もされた超有名作ですが、ぶちおは読んでいなかったので!
タイトルの意味もわからなかったですが、読了してそういう意味だったかと。
哀しい存在にも思えるけど、救い方も見つけられないもどかしさ。
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こんな人にオススメ
☆奇々怪々な脳男を知ってみたい
☆翻弄される医者、警察を応援したい
☆感情がわからないということは、一体どういうことか
☆連続爆弾魔って卑怯すぎる
書籍概要
◆作品名 脳男 新装版
◆著者 首藤瓜於
◆出版社 講談社
猟奇的な連続爆弾犯のアジトで発見された、心を持たない男・鈴木一郎。逮捕後、新たな爆弾の在処を警察に告げた、この男は共犯者なのか。男の精神鑑定を担当する医師・鷲谷真梨子は、彼の本性を探ろうとするが……。そして、男が入院する病院に爆弾が仕掛けられた。
あらゆる感情が欠落した男。男の正体の解明に挑む精神科医と共に事件の核心にたどりついた刑事が見たものとは。
全選考委員が絶賛した超絶の江戸川乱歩賞受賞作。2000年週刊文春ミステリーベスト10 第1位。
ぶちおの感想文
『脳男』
てっきり、脳男が超絶恐ろしい犯人。
または、犯人を追い詰める名探偵役なのかと思っていたのですが、どちらも違いました。
タイトルはもちろん知っていたので、勝手にタイトルから色々と想像していましたが。
まさかの犯人のアジトにいた一般通過の人が脳男・鈴木一郎でした。
今年は呉勝浩先生の『爆弾』2作品を読了したので、『脳男』の中で起きる連続爆破事件にも通じるような部分がありました。
『爆弾』ではスズキタゴサクを名乗る謎の中年が。
『脳男』では鈴木一郎を名乗る過去も不明な青年が。
素性のわからない、キャラもつかみにくい人物と爆弾の組み合わせはドキドキMAX!
ぶちお、個人的に爆弾犯は許せない度高めです。
無差別的だし、犯人は安全なところから高見の見物感があるので、卑怯者!逃げるなぁ!!と叫びたいもの。
警察としてもかなり戦いにくいのが爆弾魔でしょう。
さてさて、鈴木一郎について。
彼は警察が追っていた爆弾魔のアジトで、爆弾犯ともみ合っていました。
警察は彼を犯人の仲間として逮捕します。
しかし彼には過去の記憶もなく、どうしてアジトにいたのか、犯人と揉めていた理由など不明瞭なことが多い。
いったん、鈴木一郎を調べようということで病院に送致します。
普通のミステリであれば、爆弾犯を追いかけることが目的ですが、『脳男』は鈴木一郎という人物は何者なのかを追いかけます。
彼の鑑定を担当する鷲谷真梨子は、医者としてとことん彼を調べようと奔走します。
体に残っているヤケドの痕、彼の発言などから、どこまで暴けるのか。
一番の特徴は感情の欠落。
元々感情というものを知らないような振る舞い。
過去にあった何かが原因なのか。
感情がない状態だった場合、子ども時代はどういう暮らしをしていたのか。
そういう調べ方をしていくんだなぁ~と感心しつつ、鈴木一郎の暗部がガチなので怖くなる。
普通はこう思う、こう感じるだろう、という一般法則の外にいるのが鈴木一郎。
怖いけど、感情がない人生は辛すぎると同情もしちゃう。
同情もしちゃうけど、どの同情すら鈴木一郎からしたら何の感情ももたないという、虚しさの永久機関。
どこかの誰かの言葉で、悲しいと感じることが出来るから喜びを感じられると。
一切の感情がないというのは、想像を超えて孤独かもしれない。
物語の中盤までは真梨子の鑑定や調査がメインですが、後半では爆弾の魔の手が炸裂しまくります。
爆弾魔と鈴木一郎の関係、爆破の意味、鈴木一郎が持ちかけた交渉。
ラストまで怒濤の展開が続きます。
誰??今度は何??最小被害に留める方法は何??!とわーわーしながら読み抜けました。
『脳男』は続編も出ているので、やっぱり気になっちゃう。
鈴木一郎には、どういう人生が続いていくのか気になります。
また鈴木一郎と関わり合ってしまった人達のその後も気になる。
一度存在を知ってしまったら、忘れられないし、放ってもおけないでしょう。
でも近づきすぎると危険。
彼を動かすのは、彼なりの信念。
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