ぶちおです。
今回は『死んだら永遠に休めます』をご紹介しようと思います。
テレビの売上ランキングでちらっと見て、そのタイトルに惹かれてポチり。
社会人経験ある人、作業に追われてる毎日が繰り返しになっている人、自分は社畜だと堂々としている人、
読むだけでぎゅーっっとなってしまう可能性があります。
《あいつがいなくなったらいいのに》
その願いが叶ったハズなのに、地獄に居続けないといけないなんて…
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こんな人にオススメ
☆ブラック企業をかすめた経験がある
☆もう立派な社畜の自覚がある
☆嫌いな上司がいる
☆同僚がいるから頑張れる
書籍概要
◆作品名 死んだら永遠に休めます
◆著者 遠坂 八重
◆出版社 朝日新聞出版
死んでほしいと思っていたパワハラ上司が死んだらしい。容疑者は──部下、全員。発売前から「一気読み」「怖すぎる」と話題沸騰の、新しいストーリーテラーがおくる恐怖の“限界会社員ミステリ”!
ぶちおの読書感想文
『死んだら永遠に休めます』
職場で不条理を感じたことがある人なら、主人公・青瀬の境遇をすぐに想像出来ちゃいます。
会社ってね、コンプラ遵守とか言っているけど、結局従業員は酷使されて搾取されるところなんやで!!
青瀬が所属している部署は全国の支部も含めた雑用をすべて担っているような部署です。
自分には想像も出来ない工場の発注作業を代わりにしたり、顧客のアンケートをとりまとめたり、経費精算もたんまりと。
簡単な事務作業と言えばそうですが、やりがいはあまり感じられない。
でも会社の歯車としては誰かがやらないといけない仕事。
冒頭の仕事風景が、ぶちおにもたやすく想像ができてw
パソコン立ち上げた時にメールとか、スラックの通知が多いだけでげんなりする。
集中して作業するぞ!と思っているところに、あちこちから督促が来たり。
ちょっと抜けている派遣さんの指導係として、自分以外のことも面倒を見ないといけない。
もう、読書しているだけなのに、なんでこんなにげっそりしちゃんだろうと!
そして君臨しているパワハラ上司の前川。
マイルールを部下にも押しつけてきて、時間外業務は当たり前。
通称説教部屋で詰問される、軽めの暴力も日常茶飯事。
労基に通報しないと!会社も相手どって慰謝料とれるよ!と思うくらいのブラックパワハラ上司です。
なんだったら別の部署でパワハラをしたから、この雑務対応部署に異動したらしい。
いや異動処分された先でもまたパワハラするって、反省の色なしだな!
やはり大人になるともう本質が変わらないというのは本当なのでしょう…
でも青瀬をはじめ同僚達も、愚痴は言いつつも犯行する気力は失せてしまっている。
忙殺されて、仕事をこなすことが第一で、それ以外のことに気が回らない。
ブラック企業で酷使されると、掃除も出来ないし、食べることも忘れるし、普通の生活がままならなくなる。
鬱の始まりじゃないか、と心配が絶えない冒頭でした。
そしてそんなパワハラ上司の前川が失踪します。
社内の一部に向けて、失踪宣告ととれるようなメールを送ってきます。
いや、件名が失踪宣言なので、失踪宣言100%です。
仕事の出来ない部下に嫌気がさした、探さないでくださいといった内容。
おい、パワハラ上司の方が失踪するってなんやねん!!
失踪したいのは被害者のこっちだわ!!と拳を握りしめるぶちおw
最近ぶちおの職場でパワハラ野郎を目の当たりにしたので、共感値が突き抜けました。
馬車馬のように働いて、もはや人権も否定されたように働いてきた青瀬達は上司の失踪にちょっとテンションが上がります。
それはそう。
加害者がいなくなれば、職場環境が良くなるのは明白です。
前川がいなくなっても会社は回る。
残されたメンバーで、またいつものように仕事を続けよう。
ところが、前川から次に送られてきたメールは物騒な内容になっていました。
件名は、私は殺されました。
本文には自分を殺す可能性のある容疑者、つまり同じ部署で働いている5人の名前を列挙。
このメールは会社全体に知れ渡ることになってしまい、それまでの環境が一変します。
もしかしたら、お前が人殺しなのか?と社内全体から監視されているような。
失踪した前川は、本当に殺されているのではないか。だとしたら犯人は誰か。
いや、まだ殺されたとするのは早い。荒唐無稽なメール送信そのものが前川からの嫌がらせなのではないか。
青瀬は派遣の三井とともに、前川の足取りを追うことになります。
というか、名探偵を自称する三井に無理矢理引っぱり出されます。
前川のデスクに何かないか、行きつけの店なんかはないか。
毎年口実を付けては前川が通っていた女将が何かを知っているのではないか。
前川は本当はどういう状態でいるのか。
もし前川が被害者になっているのなら、犯人は誰か。を推理していくのと平行で青瀬の日常が壊れていきます。
青瀬がメンタル追い込まれていくのが、痛い。
社畜なので家の中もなかなか壮絶にしはがっています。
ゴミだらけ。
実家から送られてきたミカンも結局腐っている。
掃除しなきゃ、お風呂入らなきゃ。
家は唯一の安らぎの場所なのに、近隣から苦情が入っているからと退居勧告をされてしまう。
確かに夜中に帰宅することも多かったけど、そんなに言われる程迷惑をかけていないはず。
どうしてこうなってしまうんだろう。
前川のことをやっとこ警察が捜査を始めたと思ったら、なんかしっかりと容疑者扱いをされている。
『とても臭うゴミをたくさん捨てていたそうですね』
ゴミ出しが出来ていなかったから、先日まとめて出しただけ。
え?まさか前川の死体を捨てたとでも言いたいのか。
こんな調子で、青瀬の日常行為もことごとく裏目に出ちゃう。
思考能力が低下するって、本当にこういうことなんだと。
心の大事なセンサーがぶっ壊れるんだと。
そして運がとことん悪くて、容疑者にされちゃって迷惑千万。
おい前川!生きてても死んでてもいから無実を証明してくれよ!
会社という組織の中で、社畜として毎日働いている人もいれば、定時で帰っている人もいる。
他部署からの視線も痛い。
でも仕事が終わらない。
誰も助けてはくれない。
そう!自分の身は自分で守らないと!
途中からぶちおは前川の動向なんてどうでもよくなりましたw
パワハラ野郎は消えてよし、という認識があるからかもしれません。
誰も悲しんでいないぞ!
なんなら会社から消えるのが遅かったくらいだ!
青瀬もそんな状態なのに、会社にしがみつくのはやめたらどうだ?
年収でもない、会社のネームバリューでもないぞと訴えたいw
とはいえ、青瀬はこのまま会社で働きたい。
そのためには前川の真相を社内に周知したい、のは分かります。
派遣の子が思った以上に名探偵ムーブをかましてくれるので、ちぐはぐコンビの調査は微笑ましかったもの。
青瀬がなんだかんだ辛くても働いていたのは、気にかけてくれる存在がいたからなんだなと。
じんわり。
でも、単行本の表紙にある通り、最悪を更新していく展開!
どんどん地獄の深みに向かっているようなお話です。
人によっては本当にトラウマになるし、トラウマを思い出すことになるかもしれませんもの。
青瀬は、強い。
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まとめ
『死んだら永遠に休めます』
何が本当の事件だったのか。そこです。
一番こわかった事実に気付いた時、ブラックアウトしかけます。
その角度から?ノーガードだったよ…
でも、確かにそういう伏線はあった。
今までの彼女の状況を、別視点から検討したら分かるはず。
こんなことになるなら、パワハラ上司が消えることを願わなければよかったかもしれない。
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