ぶちおです。
今回は『誰が勇者を殺したか【電子特別版】』をご紹介しようと思います。
タイトルから勝手に血なまぐさい想像をしてしまいましたが、そんな妄想は不要でした。
勇者は誰に殺されてしまったというのか。
どうして戻ってくることは無かったのか。
会話から、真相を見つけ出していきましょう。
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こんな人にオススメ
☆ファンタジーが好き
☆RPGが好き
☆肩書きに弱い
☆清濁あわせのむスタイルだ
書籍概要
◆作品名 誰が勇者を殺したか【電子特別版】
◆著者 駄犬（著）/ｔｏｉ８ (イラスト)
◆出版社 KADOKAWA
勇者は魔王を倒した。同時に――帰らぬ人となった。
魔王が倒されてから四年。平穏を手にした王国は亡き勇者を称えるべく、数々の偉業を文献に編纂する事業を立ち上げる。
かつて仲間だった騎士・レオン、僧侶・マリア、賢者ソロンから勇者の過去と冒険話を聞き進めていく中で、全員が勇者の死の真相について言葉を濁す。
「何故、勇者は死んだのか？」
勇者を殺したのは魔王か、それとも仲間なのか。
王国、冒険者たちの業と情が入り混じる群像劇から目が離せないファンタジーミステリ。
ぶちおの読書感想文
『誰が勇者を殺したか【電子特別版】』
新感覚！！
まさかの勇者が被害者に？！
勇者アレスは、騎士、僧侶、賢者を加えた4人パーティーで魔王討伐に向かいます。
魔王討伐の暁には、王女との結婚が約束されている。
魔王は討たれて、平穏が訪れたのですが…
勇者だけが戻ってくることはなかった。
多くを語らない仲間、英雄を囃し立てる民衆。
誰だ！！勇者を殺しちまったのは！！
と息巻いて犯人捜しをするぶちお。
勇者殺しの罪は重いぞ！
魔王を倒した後に死んだと言っているが、本当なのか。
魔王を倒せた勇者が、そうやすやすと誰かにヤラレるものか？
舞台はファンタジーど真ん中の世界。
物語は人物たちの会話がメインに進んでいきます。
だからこそ、会話のどこかに犯人に繋がるヒントがあるはず！
口を滑らせた者がいないか、目ン玉ひんむいて読み進めました。
勇者の偉業を文献に編纂する為に、記者が勇者のパーティーだったメンバーに取材に行くことになります。
勇者はどんな人物だったのか。
仲間たちとはどういう関係性だったのか。
かつての仲間の3人は、勇者アレスと学院時代に出会っています。
剣聖と呼ばれた貴族出身のレオンは、勇者よりも剣の腕前は上。
貴族らしい物の考え方で、アレスよりも自分が勇者にふさわしいと思っている。
努力をしない貴族連中に辟易してもいる。
聖女と呼ばれたマリアは、回復魔法は国内一の腕前。
外見は美しいけれど、内面はなかなかのSというか、ちょっと歪んだ部分がある。
修行と称して勇者に無理難題を課します。
大賢者となったソロンは、攻撃魔法の天才。
人に何かを教えるのは時間の無駄だと思っているし、とっつきにくさNo1。
勇者の話もまともに聞く気はない。友人がいないのを気にしています。
勇者殺しの容疑者として、この3人を真っ先に疑います。
勇者の近くにいて、機会もたくさんあったでしょう…
でも4人の学院時代の思い出話は、ほっこりしちゃうところも多い。
勇者のまっすぐさ、懸命さに、段々と3人がほだされていっちゃう。
やっぱり勇者になるには、人柄が大事なんかなぁと。
剣や魔法が強いだけではダメ、リーダーシップが肝なんかなぁ。
人を惹きつける魅力が3人をまとめあげたのかも。
そう思うと、3人に勇者殺害の動機なんてない気もします。
勇者はこの癖の強い3人とともに旅立っていった。
力をあわせ、たくさんの人々を救い、魔王も倒した。それは間違いない。
けれど戻らなかったのは勇者だけ。
勇者の死について多くを語らない3人。
悲しんでいる様子もなく、淡々としている。
やっぱり仲間たちの誰かが勇者を？
それとも全員が共謀して？
学院時代は仲良くしていたようだけど、旅の途中で何かがあった？
記者は勇者が生まれた村にも取材に行きます。
預言者が現われて、勇者の出現の託宣を残して行った村。
勇者を輩出したことで、村人は過去の勇者の偉業について語ります。
昔から才能があった。
剣も魔法も使いこなしていた。
しかし、ここで気付きます。
仲間の3人が話していた学院時代の勇者像と、村人が話す勇者像にズレがあることに。
3人が勇者を過小に話した可能性もある。まぁ村人が話を盛った可能性もある。
う～ん、やっぱり何かありそう…
勇者って難儀な役職だな～という感想も出てきました。
ゲームやアニメでは、もてはやされる勇者。
一度は憧れる勇者。
物語の主人公ですもの！
何でもできて、最終的には勝利が約束されている勇者。
でも勇者サイドにたって見ると、理不尽さも多いなと。
勝手に謎の預言者のせいで勇者にまつりあげられて、命を賭けた戦いを強いられる。
勇者だからって死なない、負けないと決定しているわけでもない。
魔王を倒せたら、結果的に勇者になれるけど、魔王を倒せなかったらただの人。
あ、あの人は勇者じゃなかっただね～で済まされちゃう。
いくら次期国王になれるという褒美があったとしても、王様になるのも大変だよ。
田舎の村で生まれ育った少年に、簡単に務まるものじゃないやろと。
ご都合主義のいやな部分もわかってくる…
勇者アレスは、周囲が引くくらいに自分が勇者になることを望んでいました。
勇者にならなければいけないと。
彼を突き動かす動機は何なのか。
最初からしっかりと答えになる要素は提示されています。
話している内容も、故意に偽っている人はいない。
勇者が死んだ理由も、勇者を殺した人も、わかってみると納得。
この世界の最大の秘密とは。
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まとめ
『誰が勇者を殺したか【電子特別版】』
最後はハッピーを感じられてよかった！
ただただ勇者が悲惨なことになってたら、トラウマだもの。
世界を多方面から観察するのが大切。
勇者だから善人確定？
魔王を倒せばハピエン確定？
結末を知った後、もう一度、勇者に関する証言を照らしあわせてみましょう。
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