ぶちおの本棚

『目には目を』罪には同等の罰を。6人の少年のうち、被害者は誰で、密告者は誰か。

ぶちおです。

今回は『目には目を』をご紹介しようと思います。

ハンムラビ法典で有名な、受けた被害と同等の報復や制裁を行うこと。
ただ、現在はそのような考え方を基にして、刑法は定まっていません。
重大犯罪を犯した少年たちは、名前を隠されたまま塀の外へ戻っていった。
しかし、被害者遺族によって1人の少年は殺されてします。

誰かが少年の情報を、遺族に渡したから…

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こんな人にオススメ

☆人には色々な事情があるけど、納得できないことも多い
☆完全な罪と罰のバランスを考えたい
☆後半であっと驚きたい
☆人の見え方は捉え方次第だと思う

書籍概要

◆作品名 目には目を
◆著者  新川 帆立
◆出版社 KADOKAWA

なぜ少年Aは殺されたのか?

【罪を犯した「本当は良い子」の少年たち。奪われた命が、彼らの真実を浮かび上がらせる。】

重大な罪を犯して少年院で出会った六人。彼らは更生して社会に戻り、二度と会うことはないはずだった。だが、少年Bが密告をしたことで、娘を殺された遺族が少年Aの居場所を見つけ、殺害に至る――。

ぶちおの読書感想文

『目には目を』
弁護士でもある作者・新川先生だからこその説得力を感じました。
少年院の実状とか、少年院を出た後の少年たちの様子とか、リアルなんじゃろうな~と。

現実でもありますが、殺人などの重大犯罪を犯した少年はどうして実名報道されないのか。
少年法ももう古くなっていて、現実に即していなさすぎるのではないか。
少年に限らず、犯罪者には同じ思いを味わって欲しいと思うのは当然ではないか。

実名も顔も出る、とかだったら少年の犯罪も減るんやないかな、と思う一方で、そんな若い時の過ちを誰でも知れるとなると人生一生詰みで。それはそれでやりすぎか、とか。
ぶちおの持論ですが、若いうちからトンデモナイ悪人は、更生できないんじゃないかなと思うところも。

本作に登場する罪を犯した少年6人。
2人の幼い子供を殺害して、アート作品だと謳って遺体を弄んだもの。
少女にいたずらをしようとして、抵抗されたから焦って殺してしまったもの。
などなど。

どの少年も、家庭には大なり小なり問題がありました。
ネグレクトだったり、偏った思想のおしつけだったり。
そして本人達にはどうしようもない、身体的なハンデを持っていたり。
少年ではどうしようもなかった部分もあるけど、だからといって他人を傷付けていいわけでもなく。
SOSの発信が出来なかった、周囲の大人が気付けなかったのもなぁ。
家庭の事情に深入り出来ないし、溜まりにたまったものが犯罪の発露になったのはもうやりきれないですが。

とはいえ!
先にも言いましたが、被害者サイドや世論が〝しょうがないよね〟とはならん。
一生、塀の外に出ないで欲しい。
いや、加害者も更生して全うになるチャンスは与えよう。
この考えが永遠にグルグルと回りました。

本作冒頭で、少年たちを取材した主人公であるライターからの注意があります。
最初は何のこっちゃ?と思う部分もありましたが、読了後はこの注意書きについての意図もわかりスッキリ。

少年院にいた彼らの情報を、被害者遺族は知ることができない。
出所時期も、出所後の生活も。

少年Aは出所後に、自分が殺害した少女の母親に報復されて死亡します。
娘を殺したんだから、命を持って償うのが妥当というように。

少年Aの居場所を知っている少年Bがこの母親にリークしたからだろう。
少年Aを含めた6人の少年、この中に密告者がいる。
主人公のライターは、生きている5人の少年達に取材を申し込み、少年Bが誰なのかを探していく。

前半は、少年達の生い立ちや少年院での様子が。
少年院を出てしまえば、普通の人のように暮らしている。
仕事をしたり、家庭をもったり、過去の犯罪を利用して金儲けをしていたり。
まるで、過去の罪なんて何もなかったかのように。

話の通じない人間というような印象。
人を殺しておいて笑顔で普通の暮らしを送っている。
被害者への気持ちも、ぺらっぺらで反省しているようには見えない。
善悪のネジが人とちょっと違うんかな~
やられてイヤなことは人にはしない、って教えられてないんか。

それに、家族からの少年たちの見え方も違っている。
抱く印象もちぐはぐだったり、どれがリアルの少年の姿かわからなくて混乱します。

もちろん、今でも苦しんでいる少年もいますが、それもどこかピントがずれているような。
結論、全員が怪しい。
少年院時代にあった事件や、人間関係を考えると全員が少年Aのことをリークしそう。
リークする旨みがそこまであるのか。

ただ、被害者遺族に少年Aの情報を渡したら用意に復讐されそうということは分かる状況。
であればリークした少年Bも相応の罰を受けなければならない。

少年たちも、考え方が幼いし、人生も舐めていそう。
いちライターに真実を話しているとも限らない。
それでも密告者が誰なのか、ちゃんと判明します。
後半では怒濤の展開!

反省を示すということは、とても難しい。

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