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『憑かれた鏡 エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談』コワさの余白が癖になる。

ぶちおです。

今回は『憑かれた鏡 エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談』をご紹介しようと思います。
カルト的な人気を誇るエドワード・ゴーリーが選び抜いた怪談。
ゴーリーの挿絵とともに、怪奇な世界へダイブすることができます。

曰くつきの場所、奇妙な人々、特級呪物、突如みまわれる不幸。

憑かれた鏡 エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談

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こんな人にオススメ

☆エドワード・ゴーリーの世界観が好き
☆海外の怪談が気になる
☆あとからやって来る恐怖を楽しみたい
☆有名作家の怪談をつまみたい

書籍概要

◆作品名 憑かれた鏡 エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談
◆著者  A・ブラックウッド/W・F・ハーヴィ/C・ディケンズ/L・P・ハートリー/R・H・モールデン/R・L・スティーヴンスン /E・ゴーリー/柴田 元幸 (翻訳), 小山 太一 (翻訳), 宮本 朋子 (翻訳)
◆出版社 河出書房新社

空家,八月の炎暑,信号手,豪州からの客,十三本目の木,死体泥棒 他

ぶちおの読書感想文

『憑かれた鏡 エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談』
この本に辿りついたのは、偶然でして。
以前読んだ『名探偵のままでいて』の作中で、『猿の手』という作名が出てきました。
有名な怪談らしいのですが、ぶちおは知らず。
なので、『猿の手』を読みたいなと。

調べていくと『猿の手』が収録された本作『憑かれた鏡』に行き着きました。
どうせ読むなら『猿の手』以外にも読める方がいいかと思ったのですが、この怪談集をまとめたエドワード・ゴーリーという名前にちょっとだけ記憶がくすぐられて。

エドワード・ゴーリーを知ったのは、何かのテレビ番組だったか…
絵本だけど、大人向けの絵本。
子どもが読むには刺激的すぎる絵本らしい。
『不幸な子供』『おぞましい二人』『うろんな客』など、タイトルからしてちょっと怖いw
その印象が残っていたようです。

エドワード・ゴーリーの絵本もいつか読むとして、この人が選抜した怪談ならやっぱり間違いないだろう!
ということで読みました。

12編収録されていますが、ブラム・ストーカーなど有名作家による作品多数です。
海外作家陣の短編も楽しめちゃうなんて。

『猿の手』
この作品を読むために手にとった訳ですから。
やっぱり印象としては強く残りましたね~
いわゆる呪物である猿の手を巡ってある家族が欲に溺れてとんでもない目に遭う。

客人をもてなしていた夫婦とその息子の家族。
客人は3つの願い事を叶えるという猿の手を見せてくれます。
猿の手、そのもの。
不気味なものではありますが、どういう訳か願いを叶えてくれる。
その客人はすでに3つの願い事を叶えたといい、猿の手を処分しようとします。

が!もう使用済みならその猿の手を譲って欲しいとなります。
使えないなら頂戴よ、となるのはわかります。
客人は猿の手は処分した方がいいと言いますが、結局は家族の元に猿の手を置いていきます。

客人は3つも願い事を叶えてもらったはずなのに、全然嬉しそうではない。
この段階で怪しさしかないでしょう!
でも力を手に入れた家族はご機嫌そのもの。
とりあえず200ポンドが欲しいと願います。
しかしなにも起こらない。

やっぱりマユツバものか~と思っていたら後日、仕事中に息子が機械に挟まれて死んでしまったと伝えられます。
会社の使いが伝えたのは補償金として200ポンド支払うということだった。
願いの通り200ポンドは手に入ったけれど、それは息子の命と引き換えということ…

夫婦は後悔します。
こんなことで大事な息子が奪われるなんて…
そうだ、まだ願いは残っている。
次の願いは、息子を生き返らせるということ。
しかし願っているような状態で息子が戻ってくるだろうか。

短い中にギュギュッと怖いポイントが詰まっています。
なんなら、客人が呪物である猿の手を残していくのが一番怖い。
やばい代物なら、その危険性も教えていくのがフェアじゃない?!
こんな対価を払うことになるなら、家族も願いごとなんてしなかっただろうし。

いや、人間の欲の前ではいくら忠告しても無理か。
それが分かっていたらか、客人もあんま注意してこなかったのか。
猿の手の処分も勇気なくて出来なかったのかな。
だから渡りに船とばかり、家族の元に置いていった説もある。

と、あちこち考察が止まりません。
自分が客人の立場なら、夫の立場なら、と考えるのも楽しい。

他にも、自分が死ぬ時期を意外なことから知ってしまう『八月の炎暑』、
教会にある大理石造りの甲冑が動き出す『大理石の軀』、
夢で見たのとそっくりの女と結婚をする『夢の女』などなど。

ハッキリクッキリ全てが書かれていないからこそ。
想像力が掻き立てられる怪談。

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