ぶちおの本棚

『湖の女たち』たとえ犯人がわかっても、捕まえることは難しいのでは…心理の構造は複雑。

ぶちおです。

今回は『湖の女たち』をご紹介しようと思います。
事件の真犯人を追ううちに、生まれてしまった主従の構図。
わかっていても拒めない。
従う必要はないと知っているのに体は真逆の行動をとる。

そして事件の犯人は、今日も普通の暮らしを送る。

湖の女たち(新潮文庫)

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こんな人にオススメ

☆簡単に説明できない関係が気になる
☆人間の内面をえぐりみたい
☆ジャーナリズム魂を応援したい
☆どろどろ読了感ばっちこい

書籍概要

◆作品名 湖の女たち
◆著者  吉田修一
◆出版社 新潮社

湖畔の老人介護施設「もみじ園」で、寝たきりの男性が人工呼吸器を外されて殺された。捜査にあたった刑事は施設で働く女性と出会うが、極限状態の取り調べの中で、二人はいつしかインモラルな関係に溺れていく。もっと最低なことをして、もっと汚してほしい……。
吸い寄せられるように湖に集まる男たち、女たち、そしてーー。圧倒的な自然が悪も善も美もすべて呑み込んでいく結末に、読後あなたは言葉を失う! 悪と欲望を描き尽くした極限の黙示録。

ぶちおの読書感想文

『湖の女たち』
映画化の話題が出た時から気になって、数年経ってやっとこ読了しました。
事前に内容もあまり把握していなかったので、勝手に予想外すぎて驚きました。

てっきり、100歳のおじいちゃんを殺した犯人捜しがメインかと思っていたのですが、刑事と施設関係者のよろしくない関係がメインだったとは。
刑事は捜査よりもインモラルなあれこれにワサワサすることに精出してないか?!
どちらかというと雑誌記者の方が事件に繋がる重要な調査を進めていたぞ!!
上の命令に逆らっても記者はやり抜こうと頑張っていたぞ!!!
はぁはぁ…刑事のことが好きになれなさすぎて取り乱しました。

とある介護施設で100歳の寝たきり状態の老爺が亡くなります。
呼吸器が作用していなかったことが原因。
寝たきり状態なので自殺の可能性はない。
呼吸器も何かあった時はアラームが鳴り続け、職員が気付かないはずがない。
考えられる可能性は、誰かが故意に呼吸器を止めて、アラームも消した。
老爺を死なせるために、わざと。

殺人の可能性もあるということで、警察も捜査を始めます。
まず疑われるのは職員。
当直の職員をはじめ、施設関係者全員に事情聴取をする。
そこから職員の佳代と、刑事の圭介のずぶずぶな関係が開いていくと…

佳代は目立たない、どちらかというと大人しい女性。
付き合っている彼氏の態度がいくら傲慢でも許せちゃう。
彼氏のことを幼稚で馬鹿らしいと思っていても、関係は続けている。
う~ん、でも、まぁ、こういう人は幸せになれないよと。
自分大事にしよ!とアドバイスしたくなるタイプです。
そんなんだから、彼氏がつけあがるんだよ。
そんな男、別れた方がいいよ。しか言えないw

まぁ、そういう生活で本人がいいならいいのでしょう。
それが幸せだと感じる人もいるでしょう。

でも、《そういう女性》ということを見抜いて圭介は接触してくるのですよ。
職場で事件があったから、捜査の担当刑事を多少顔なじみになるのはわかりますが、家に来たり、湖に呼びつけたりはレッドカードやろ!
でもでも、佳代はなんだかんだでズルズルと受け入れてしまう。

S極N極のように、互いがバチッとはまっちゃう。
もうね、事件は進展しないのに、佳代と圭介が別次元に堕ちていくのは早い。
簡単にサドマゾというのも違う。

当人たちもそれぞれに恋人や家族があるのに、やめられなくなっている。
背徳感に高揚して、関係をやめられないともまた違う。
そうなってしまうように決められてしまっているというか。
男女間のことはむずい!

ぶちおは最後まで、佳代と圭介のどっちも好きになれんかったw
近くにいたら生気奪われそうなんだもの。
とくに圭介は無理レベル。
なんかもう、どこまでも気のすむようにやったらええやんとw

さて、事件の方も動いていきます。
亡くなった老爺の過去、別の施設でも起こった事件などなど。
過去の満州での思い出とか、関係ないようでいて事件の輪郭作りには必要だったり。
老若男女の別なく、人間って残酷だから。
戦争下なら特に仕方がないのかもしれないけれど、誰かにあの時のことを伝えないといけない時がくる。
過去の吐露が、今の事件の根底に繋がったり。

あとがきは先に読まなくてよかった…
本編より先に読んでいたら、メタ読みして犯人の動機はわかってしまうかも。

湖の水をかぶって、飲んで、溺れる。

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