ぶちおです。
今回は『謎の香りはパン屋から』をご紹介しようと思います。
2025年 第23回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作!!
これはゲットやと。
例年積ん読を優先して消化しており、すぐに大賞作品に飛びつくことはないのですが書店フェアの圧に負けましたw
パン屋さんに入ってトレーを持って、トングをカチカチして、どのパンをゲットするか悩んでいる時の幸せタイム。
季節のものを取るか、おなかにたまるものを優先するか、定番に落ち着くか。
まさかパン屋さんにもミステリ要素が潜んでいるとは…
ほっこりした短編が、沁みたなぁ~
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こんな人にオススメ
☆パンが好き、パンパパン
☆陰惨さは求めていない
☆人死にも求めていない
☆じゅんわりした幸福感が欲しい
書籍概要
◆作品名 謎の香りはパン屋から
◆著者 土屋うさぎ
◆出版社 宝島社
大学一年生の市倉小春は漫画家を目指しつつ、大阪府豊中市にあるパン屋〈ノスティモ〉でアルバイトをしていた。あるとき、同じパン屋で働いている親友の由貴子に、一緒に行くはずだったライブビューイングをドタキャンされてしまう。誘ってきたのは彼女のほうなのにどうして?
疑問に思った小春は、彼女の行動を振り返り、意外な真相に辿りつく……。パン屋を舞台とした〈日常の謎〉連作ミステリー!
ぶちおの読書感想文
『謎の香りはパン屋から』
ほっこり、町のパン屋さんを舞台にしたミステリです。
残念ながら、ぶちおの好物の密室も連続殺人もありませんw
日常にある、何気ない謎に気付けるか。
どうしてあの人はそんな行動をとったのか。
嘘をつくのは何故なのか。
人間観察から始まるミステリを楽しめました。
主人公は市倉小春、大学に通いつつ友達の紹介でパン屋〈ノスティモ〉でバイトをしています。
夢は漫画家になること。
大学に通いつつ、バイトで食費を浮かせて、漫画を書いては賞に応募する日々。
夢に向かって頑張っているなぁ~と保護者目線で小春を応援w
漫画家になって喰っていくって、大変だもの。
技術だけではなく、運も必要ですし。
小春がどんな漫画を応募したか分かるのですが、どのストーリーもいっそ全部見てみたいと思うくらいw
流行取り入れたり、あらゆるジャンルに挑戦したり。
無鉄砲にも思えますが、とにかく若いうちにぶつかりまくるのはええことやで。
その無茶っぷりがすんなり認めてもらえる日も、なかなか来ないのですが…
パン屋さんの裏側もちょいと垣間見ることができます。
パン屋さんって、こういう感じで働いているんだぁ~と。
職場仲間やお客さんにまつわる謎に小春が気付いていく…
漫画家志望の観察眼は伊達じゃない!
本作には5つの短編が書かれています。
クロワッサン、フランスパン、シナモンロール、チョココロネ、カレーパン。
メジャーなこれらのパンにまつわる逸話も絡んで、さくさくっと楽しめます。
パンの味や香り、見た目を思い出しながら。
あのパンの形の意味、作り方、歴史、雑学も知れちゃうなんて。
ぶちおは料理の才能ゼロなので、知らないことばかりw
食う専門にもためになるパン知識!
同じパン屋で働いている友人の様子がおかしい。
推し活にも身が入っていないようだし、いつもとおかしいことが多い気がする…
イートインスペースで高校生男女のケンカが勃発。
食器を片付けていると不自然な状況が見えてきて…
初めて来店したおばあさんが探し求めているカレーパン。
どのお店で販売しているものなのか、カレーパン大捜索が始まる!などなど。
ただ!
1つ1つの謎は小さめに見えても、最後にはちゃんと総ざらいとしての大きな伏線回収があります。
というか、この部分がなかったらそりゃ大賞には輝かないでしょう!
ほっこりした謎を解決したなぁと、ゆるみきったぶちおには想定外の伏線回収でした。
あ~、そう言われたらあの時に言ってた意味ってそういうことか~
あの人の言動、不審とまではいかないけど確かにね~
このアハ体験的な部分がミステリの醍醐味でしょう!くぅ
そしてエピローグで泣けました。
よかったね~と。
謎を解いたことで報われたなと。
傷ついたこともあったかもだけど、この日を迎えるためには必要なことだったんでしょう。
パン屋を中心にした小春のおはなし、全編通してほっこりしました。
そういえば、作中でチョココロネの食べ方についてありました。
チョココロネの口が大きく開いている方から食べるか、円錐の尖った部分から食べるか。
ぶちおは第3の、円錐の方をちぎってチョコディップして食べる派です。
これは小さい頃に編み出しましたw
最後までチョコを堪能したいとなったら、チョコの入っていない円錐部分をちぎってディップが正解ではないかと行き着きました。
パンはちぎって一口サイズにして食べましょうと、小学校の給食だよりに書かれていました。
その教えを守り、食パンのようなもの以外はちぎって食べるのが根付いているぶちお。
コッペパンもちぎる、クロワッサンもちぎる、フォカッチャもちぎる。
どんなパンも、人によって食べ方や楽しみ方は違います。
でも、そんな違いから真相に辿り着くことだってあるかもしれない!
巻末には『このミス』の選評がありますが、拾い読み程度にとどめました。
最終選考に残った他作品についても、若干ネタバレになっちゃうかもですし。
未読作品のあれがよかった、ここがよろしくなかった、を見てしまうとその作品を読むテンションが落ちそうでw
でも選考する人達の苦しみもひしひしと伝わりました。
ミステリ小説を選ぶ時に、『このミス』の権威は大きいですからね。
プレッシャーが凄いことは、想像に難くないです。
ぶちおも『このミス』を受賞していたら、無条件でカートに入れますもの。
パンを片手に読むもよし!
読了後にパンを買いに行くもよし!
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こんな作品もおすすめ
『謎の香りはパン屋から』を読んで、過去の『このミス』受賞作品から選書してみました。
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『地雷グリコ』
ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説!
射守矢真兎(いもりや・まと)。女子高生。勝負事に、やたらと強い。
平穏を望む彼女が日常の中で巻き込まれる、風変わりなゲームの数々。罠の位置を読み合いながら階段を上ったり(「地雷グリコ」)、百人一首の絵札を用いた神経衰弱に挑んだり(「坊主衰弱」)
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『可燃物』
米澤穂信、初の警察ミステリ。
余計なことは喋らない。上司から疎まれる。部下にもよい上司とは思われていない。しかし、捜査能力は卓越している。葛警部だけに見えている世界がある。
群馬県警を舞台にした新たなミステリーシリーズ始動
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『爆弾』
東京中に爆弾。怪物級ミステリ-!
自称・スズキタゴサク。
取調室に捕らわれた冴えない男が、
突如「十時に爆発があります」と予言した。
たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説 〈昭和ミステリ〉シリーズ (創元推理文庫) 新品価格 |
『たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説 〈昭和ミステリ〉シリーズ』
昭和24年、ミステリ作家を目指している風早勝利は、名古屋市内の新制高校3年生になった。
学制改革による、たった1年だけの男女共学の高校生活。
そんな中、顧問の勧めで勝利たち推理小説研究会は、映画研究会と合同で夏休み中の一泊旅行を計画する
まとめ
『謎の香りはパン屋から』
抗えないパン屋の魅力と、謎。
一生懸命に頑張る小春を応援したくなります。
観察眼もありつつ、相手をなるだけ傷付けない推理。
本当のことを面と向かって言われるのは、結構しんどい時もありますがパンの香りで帳消しに出来るかもしれん!
ぶちおは塩パン派。
最近はセブンのフレンチトーストにハマっています。
表紙のイラストが出水ポスカ先生というのも良きw
空腹時に読むと、パン屋にダッシュしたくなるので要注意です。
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