ぶちおです。
読了した小説のご紹介、今回は『極限推理コロシアム』
メフィスト賞受賞作品ということで、惹かれてぽちり。
極限での推理といえば、やっぱりタマの取り合いですよ!
初対面の誰を信用出来るってんだ!
信じられるのは自分だけ、でも自分の力だけでは脱出できない。
やられる前に、犯人を当てられればよいのですが…
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こんな人にオススメ
☆メフィスト賞が気になる
☆しのぎの削りあいが好物
☆事件はさくさく起こって欲しい派
☆ライトめな推理を楽しみたい
書籍概要
◆作品名 極限推理コロシアム
◆著者 矢野龍王
◆出版社 講談社
夏の館と冬の館に強制的に集められた男女に「主催者」は命じる。「今から起きる殺人事件の犯人を当てよ」。被害者は彼らの中から選ばれていき、しかも、もう一つの館より早く犯人を当てなければならない。不正解の代償は館に残る全員の「死」――。第30回メフィスト賞受賞作品。(講談社文庫)
ぶちおの読書感想文
『極限推理コロシアム』
謎解き要素はライトめ。
殺人による死体描写もライトめ。
本格的な密室やアリバイトリックを解きたい!とか、
グロい殺害方法に期待しているぜ!!という人には向いていないです。
極限の環境下で推理をしなければいけない、という焦燥感を主人公とともに謎追っていくところでしょう。
ぶちおが感じた魅力は…
人間のダメっぷりといいますか、登場人物たちの仲の悪さがリアルでしたw
名探偵のいない、一般的な男女が集まったデスゲームはこういう感じなのかもしれません。
それでも、こんなに仲悪いままのことってある?と突っ込んじゃうくらい。
本作の主人公はごく普通のサラリーマン、駒形氏。
物語は彼の主観で進んでいきます。
駒形は名探偵的な頭脳はもっていないです、フツーの人。
最初から最後まで、フツーの男性ということを忘れてはいけません。
主観視点なので、考えていることは読者にだだ漏れです。
ぶちお的には頼りないし、かわいい女子には甘いし、同じ状況下にいたら一喝しちゃうかもしれません!
そんな甘っちょろい考え方で生き残れるのか?!
目に映る人間は全員が敵だと思わないとダメなんじゃないのか?!
さて、駒形氏は見覚えのない部屋で目覚めます。
寝室とダイニングがある個室。
窓がなく、部屋の外にも似たようなつくりの部屋が回廊に沿って並んでいる。
外に通じていると思われるドアが1つありますが、もちろん開きません。
ドアの隙間から外を覗くと、南国の森の中っぽい。
そういえば建物全体の空気がじめじめしているし、暑さを感じる。
はい!ということで、デスゲーム会場は閉ざされた謎の建物の1フロアです。
各個室とコンピュータ室があるのみの簡単な間取り。
コンピュータ室では端末を通してゲーム主催者からゲーム内容を告げられます。
こういう許可無しのゲームを仕掛けてくる主催者は、姿を見せないもの。
一方的にルールを告げ健闘を祈る!といって電源落とすのがぶちおの夢でもあります。
駒形がいる場所は、夏の館。
参加者は7名。
もう一カ所にほぼ同じつくりの冬の館があり、こちらにも7人の参加者がいます。
脱出する方法は、夏と冬の館にいる犯人を2人指名すること。
解答権は1度。
間違えれば死。
そういう推理ゲームスタートぉぉぉ!そぉれ、頑張れ頑張れ!!
冬の館のメンバーともコンピュータ室の端末を通して出来るのですが、お互いライバル同士の関係です。
推理ゲームなので、先に正答した館の者だけが脱出できます。
でもお互いの館でこれから起きるであろう事件の犯人を推理しないといけないわけで。
お互いに情報交換しないと謎を解くことなんてできない。
でも相手チームを出し抜く必要もある!
この厄介ルールで、人間の泥の部分が顔を出します…
犯人は容赦ないので、1日1殺を各館で遂行します。
ぼーっとしていると自分が殺されるかもしれない。
でも犯人当てを間違えても死ぬ。
向こうの館では何が起こっている?
情報を引き出しつつ、こちらの情報はセーブした方がいいのか?
事件と同じくらい、冬の館との通信にも神経を使わないといけません。
夏の館ではスリングショットが凶器と見られた殺人が起こってしまいます。
スリングショットとは、ゴム引っ張って弾を飛ばす、いわゆるパチンコのこと。
参加者には医師などいないので、素人目で検屍もしないといけません。
そう、ミステリで重要な死亡時刻や死因も、ざっくりどころかほとんどわからない。
どうやって推理を進めていけばいいのか、次々に増える死体を前に全員が頭を抱えます。
まぁ、死因がわかったとしても犯人を当てられるというわけでもない…
いっそ、現行犯で捕まえるしか方法はないんじゃなかろうか。
それで夏の館の犯人は限定できるはず。
え、でも事件は冬の館でも起こっていてそっちの犯人も指名しないといけない。
どうしたらいいねん!
先に少し触れましたが、この作品は人間のリアルダメっぷりを見ることができます。
初対面の7人の男女、リードしてくれる名探偵役がいないとなると、すぐに揉めますw
ことあるごとに衝突しとる!
初対面でこんなにケンカできるって、逆に凄いぞ!
勝手気ままに行動するし、非協力的だし、暴力暴言に訴えるし、披露する推理なんて穴だらけだし。
ぶちおも色々な作品を読んできましたが、これだけ仲が悪いチームを見たことがないですw
事件が起きても、我が道をゆく夏の館の参加者。
最後の最後まで、お互いを疑いあっていたなぁ~
でもそれがリアルかぁ~
人間のメンタルなんて、そんなすぐに強靱にはならないと。
ケンカをしようがしまいが、事件は起き続けます。
正しい犯人を指名するまでは、終わらない推理ゲーム。
なるだけ情報を開示しあって、事件を未然に防ぐようにした方がいいけど…
いや、そんなお手本通りにはいかないか。
それが人間だもの。
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こんな作品もおすすめ
『極限推理コロシアム』を読んで、メフィスト賞受賞作品から選書してみました。
すべてがFになる THE PERFECT INSIDER S&Mシリーズ (講談社文庫) 新品価格 |
『すべてがFになる THE PERFECT INSIDER』
第1回メフィスト賞受賞作
孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。
彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。
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『人間に向いてない』
第57回メフィスト賞受賞
子供を殺す前に。親に殺される前に。
すべての「向いてない人」に捧ぐ、禁断のオゾミス、または落涙の家族サスペンス!
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『渦巻く回廊の鎮魂曲 霊媒探偵アーネスト』
第49回メフィスト賞受賞作
依頼を引き受けた友人のことが気にかかって、若き喫茶店店主の佐貴も藤村邸に同行することに。
年に一度開かれる紫陽花観賞会に招かれた二人の前で、新たな殺人事件が発生してしまい――
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『琅邪の鬼』
第44回メフィスト賞受賞
秦の始皇帝に不老不死の仙薬の入手を命じられた伝説の方士・徐福の塾がある、山東半島の港町・琅邪で奇怪な事件が続発。
求盗(警察官)の希仁と、易占術、医術、剣術などさまざまな異能を持つ徐服の弟子たちが謎に挑む!
まとめ
『極限推理コロシアム』
主催者の思惑がわからん。
何が目的で、人選の基準はなにか。
犯人の動機もわからん。
殺人をしなくてはいけないのか、それとも志願したのか。
謎は深まるばかり。
そして主催者からの謎解きのヒント。
アルマジロの銅像がヒントらしいのですが、これが犯人解決にどう結びつくのか。
アルマジロは、かわいい。
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