ぶちおです。
今回は『姉飼』をご紹介しようと思います。
姉を飼うって…
ぬちゃっとした音がまとわりつくような4つの短編が収録されています。
どの短編も明るいエンディングではないですが、かといってバッドエンドでもない。
人間がもっている狂気をたっぷりと。
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こんな人にオススメ
☆理解困難な世界観が好き
☆グロがいけるクチ
☆結局ヒトコワが一番こわい
☆短いけど濃ゆいホラーを求めている
書籍概要
◆作品名 姉飼
◆著者 遠藤 徹
◆出版社 KADOKAWA
さぞ、いい声で鳴くんだろうねぇ、君の姉は――。蚊吸豚による、村の繁栄を祝う脂祭りの夜。小学生の僕は縁日で、からだを串刺しにされ、伸び放題の髪と爪を振り回しながら凶暴にうめき叫ぶ「姉」を見る。どうにかして、「姉」を手に入れたい……。僕は烈しい執着にとりつかれてゆく。「選考委員への挑戦か!?」と、選考会で物議を醸した日本ホラー小説大賞受賞作「姉飼」はじめ四篇を収録した、カルトホラーの怪作短篇集!
ぶちおの読書感想文
『姉飼』
表題作の『姉飼』から。
まず、姉というのは姉妹の姉、自分より年上の女性への総称的な姉の意味ではないです。
「姉」という生き物の名前というか…人の形をしている女性であることに違いはないのですが、生態が不明。
読み進んでいってもハッキリとわかることはなくw
野生の姉がいるらしいです。
街中で暮らしているわけではなく、その道の職人たちが狩りにいって姉を捕獲してくる。
捕獲した姉たちを、怪しい行商人が祭りの夜店で売っている。
そういう土地のおはなし。
うん、祭りの夜店で売っているという点でいくと、金魚やヒヨコと同類に姉という存在がいるということにしつつ読みました。
姉は凶暴なので、捕獲した後は串刺しにします。
胴体をぷっつりと。
メリーゴーランドの木馬的なイメージでしょうか。
手足は動くけれど、体を自由に動かすことはさせないように。
迂闊に近づくと噛み千切られるので要注意。
言葉を話さない、意思疎通も出来ない、常識も通用しない。
うん、ピラニアみたいな生き物なのかな。
珍獣を飼いたいという気持ちは分かりますが、見た目は人間そのものの姉を飼育したいという気持ちは普通ならわきません。
が、主人公は強烈な姉の存在にひかれて、どうしても飼いたいという欲望を募らせていく…
同級生の親族が姉を飼ったらしいと聞いたら見に行くし、自立してお金を貯めたら姉を購入しようと決意を固めます。
そして手にした姉との日々。
鑑賞用ではなく、愛玩といえるのか…
姉は主人公の所有物だから、どう扱おうと自由ではあるのですが…
言葉を話さない姉の鳴き声が主人公を癒す、らしい。
普通の感覚でいくと眉間にひび入っちゃう系ではありますが、どうなっちゃうのか気になって仕方がないといいますか。
するっと書きましたが、姉は串刺し状態がデフォルトです。
ダメージを負い続けています。
そんな姉は長くは生きられない。
もったとしても数ヶ月で死んでしまう。
死んだ姉には、これまた惹きつけられるものがある…
主人公は姉ロスに耐えられず、また新しい姉を何とか工面した大金で買う。
そして姉はまた死んでしまう。
死んでしまったらまた新しい姉を求めてしまう。
最悪のループにはまってしまった主人公ですが、姉との日々が何より大切。
その時間を守るために、どこまでも何でも出来る。
これが人間の強さなのか…
他にも3編収録されています。
『キューブ・ガールズ』
時間制限つきの理想の女性が簡単に手に入る。
容姿も好み通り、性格も思いのまま。
モノなので、後腐れもない。
買い手からは最高の評価かもしれないが、商品側の気持ちを思うと。
『ジャングル・ジム』
ジャングル・ジムが人と恋に落ちて、狂っていく。
公園の遊具として平凡な幸せを噛みしめていたのに、ある女性と出会ったことでどんどん嫌なジャングル・ジムになっていきます。
ジャングル・ジムに人格があったら、こういうこと考えてたのかな~と思うとほっこりもしていたのですが。
そこはやっぱりホラー作品なので、しっかりと怖い結末です。
『妹の島』
人間やめたんか?!と聞きたくなるような島民ばかり。
島の当主は、自ら蜂に刺されるのが快感らしい。
大きくなり続ける体は、もはや溶け始めているような。
当主の息子たちも不可解な事件に巻き込まれるが、どうすればこんな事を起こせるのか。
短編なので、さくっとどろっとホラー味を感じたい時に。
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