ぶちおの本棚

『夢詣』その悪夢は伝播して、1日1人を葬っていく。悪夢から逃れる術を探して、祭事の地であった島へ向かう。

ぶちおです。

今回は『夢詣』をご紹介しようと思います。
その夢を見たら死ぬ。
不可解な死の理由は、どうやら共通している夢を見たことらしい。
被害者がまた新たな被害者を生んで、この悪夢には終わりがないのか…

古くからの因習、崇めていたのは怪物か。それとも神か。

夢詣 (角川ホラー文庫)

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こんな人にオススメ

☆夢を見る派
☆チェーンメール的な都市伝説が気になる
☆グロもいける
☆ぬめぬめじとじとした質感も平気

書籍概要

◆作品名 夢詣
◆著者  雨宮 酔
◆出版社 KADOKAWA

第45回横溝正史ミステリ&ホラー大賞読者賞受賞作!

その悪夢、見れば、死ぬ――
”順番”が来るまでに、解呪の鍵を探し出せ。

「もうすぐ私が御血をいただける順番です」
“死に至る夢”を見ると訴えていた女性と老人が突然死し、
老人の胃から人外の血液が発見された。
2人の患者の死後、精神科医・紙森千里にも悪夢は「感染」り、
謎の儀式に参列する夢を見る。

一方、都市伝説〈呪夢〉を追うオカルトライターの伊東壮太 は、
死亡した同業者のメモ「鍵は夢詣」からある孤島の奇妙な祭祀の存在を知り――。

書店員からの圧倒的支持を受けた、
第45回横溝正史ミステリ& ホラー大賞〈読者賞〉受賞作。

ぶちおの読書感想文

『夢詣』
夢、見ますか。
ぶちおは見る方だと思いますが、連日続けて見るとしても3日程度。
見る内容も寝る前に見ていたものやその日に印象が強かったものに影響されていることが多いです。
番組に出ていた芸人さんが出てくるとか、観ていた舞台のキャラクターが出てくるとか。

毎日夢を見て起きてしまうという経験はないです。
というか、その場合はかなり質の悪い睡眠といえます。
朝までぐっすり。それが一番!

本作は連続して見てしまう夢がポイントです。
きっかけは不明だけれど、その夢に感染した人は夢を共有する。
同じ夢を見て、同じ結末を迎えている。

夢の初日は浜辺から海へと小舟でくりだす。
次の日は海を彷徨い、その後は海の中にある洞窟へと着岸する。
洞窟の中では、黒ずくめの人型たちと列に並ぶ人達。
どうやら何かの儀式のようで、先頭の人が何かを授けられてそして急変。
もがき苦しんだ果てに、海にいる怪物の餌にされる。

夢の中だけならいいのですが、この結末は現実にも影響している。
つまり、夢での儀式に参加したら最後、不審な死をとげてしまう。
列に並ぶ人達は毎日補充されて途切れることはない。
一人死ねば一人並ぶ。
怪異による奇怪な儀式は夜毎繰り返される。

その夢の存在を知った医師と、ライターはそれぞれがもつ情報から調査を進めていきます。
医師は不審死した人の遺体を調べて、死因から探る。
医学的な知識も使いつつ、この夢の病巣を調べていくのですが、医師自身も悪夢に感染してしまいます。
もってあと数日の命。

ライターは先輩ライターの遺志を継ぎ、ライターの妹とともに調査をしていきます。
先輩が残したノートには、この夢の内容と酷似した祭事がとある島で行われていたということが。
これはもう行ってみるっきゃない!
島近くの集落は廃村になっていましたが、実地調査をすることで新たな発見が。
古くには流れ着いた死体の伝承、40年前には祭事に関わった巫女たちが焼け死ぬという事件も。

医師とライターが繋がり、悪夢を止め隊が出来上がります。
手探りながら、これ以上の犠牲者を出さないためにもうやるっきゃない!

この儀式の主宰に人間が勝てるかは未知数。
夢に現われる怪異は、ミミズやゴカイ、触手系。
読みながらクトゥルフ神話のような、気味の悪さを感じました。
海といえばクラーケン。クラーケンもぬるぬる触手系。
生身の人間がどこまで対抗できるのか…
というか、この儀式って誰の何のためのものか。

でも何もしないで夢の中で殺されるのも嫌だし!
どんどん不気味さは増すけれど、人間も抵抗力も応援したい。

悪夢は漠に食べてもらいましょう。

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