ぶちおです。
今回は『黄土館の殺人』をご紹介しようと思います。
《館四重奏》の3作目のテーマカラーは黄色。季節は冬。
探偵と助手が離ればなれになってしまった状況下で、助手は事件解決のために出来る限り調査を続けます。
止まらない殺人。
謎の人物が提案する交換殺人。
大胆なトリックを解きましょう!
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こんな人にオススメ
☆館四重奏シリーズを追っている
☆ひねくれた名探偵が好き
☆健気な探偵助手を応援したい
☆ダイナミックトリックを希望
書籍概要
◆作品名 黄土館の殺人 〈館四重奏〉
◆著者 阿津川辰海
◆出版社 講談社
館四重奏第三弾!
次の館に、事件が起こる!
新鋭の旗手による最新作! 事件は、岩に囲まれた館で起こる!
ぶちおの読書感想文
『黄土館の殺人』
読了後、巻末にあるあとがきを読んでじんわりしました。
本作は地震がキーになってきます。
大きい地震によって道が寸断されて、孤立状態になってしまった館で事件が起きる。
何度も余震が起こり、登場人物たちの不安も高まっていくが事件は止まらない。
救出活動も難航し、誰が生存しているか分からない。
本作の発売日は2024/2/15。
発売の直前に令和六年能登地震がありました。
そして偶然に、作中も年末年始に事件が起きている設定になっています。
発売にあたっての心境が書かれていて、共感もありました。
でも地震大国、日本だからこそ描写が身近に感じられるし、トリックも成立すると思っています。
読むことが出来てよかったと、1読者のぶちおは思います。
さて、待望のシリーズ3作目『黄土館の殺人』
高校時代からの付き合いである、3人の大学生が元気に登場してくれます。
名探偵の葛城、葛城の助手ポジションの田所。
葛城と田所となんやかんやで一緒にいる三谷。
シリーズ3作目ともなると、お馴染み感が出てきたのか。
書誌のあらすじ情報が少ないw
情報少なくても買いますけども!
これは担当編集さんがかわったのか?それとも狙いなのか??
別に気にするところではないかもですが、気になっちゃいました。
過去に出会った元・名探偵の飛鳥井の依頼で、葛城たちは崖に囲まれた館に向かいます。
荒土館と呼ばれている建物で、美術家一族の土塔家当主である土塔雷蔵が建築しました。
4本の塔がそびえて、ガーゴイルの像が飾られていて、すり鉢の底部分になっているような場所に館はあります。
表紙のイラストがそのもの!
この地には巨人伝説があり、崖の一面には大きい顔があるように見える。
荒土館から外界に繋がる道は1本のみ。
葛城たちが荒土館の前で飛鳥井と合流した時、大きい地震が起こります。
そのせいで唯一の道は土砂で埋まり、通行不可に。
葛城だけが難を逃れて外界に繋がる場に、他の面々は荒土館に取り残されてしまいます。
葛城サイド、田所サイドで進行していきます。
名探偵が行く場所には、事件はついてくる。
荒土館の最寄りの町にある宿で、地震の影響がおさまるまで宿泊することになった葛城。
田所達の身を案じながらも、宿で怪しい人物に出会います。
小笠原恒治。
なんと、作品冒頭の紹介文でしっかりと【殺人者】と書かれています。
まさかの犯人ネタバレ!
スピード解決間違いないです。
案の定、あれやこれやで殺人を起こそうとする小笠原ですが、葛城はすでに小笠原をマークしているようで。
一方の田所サイドは、土塔家と関係者の人達と救助が来るのを待ちます。
土砂の撤去には時間がかかる、ヘリによる救助も濃い霧によって阻まれている。
少ない保存食と水で、命を繫ごうとするのですが。
どんどん死者が増えていきます。
もちろん災害によらない、人の行為による死者が。
いやぁ~想像の2倍は被害者が出ました。
そして田所は名探偵ではないけど、めっちゃ頑張ってた!
犯人にプレッシャーをあたえるべく、三谷と一緒に駆けずり回っていて好感しかない。
なんなら謎解きして犯人を名指ししたいけど、そこまでの力がないとわかって出来る限りの努力をする。
助手もガッツがないと務まらないんだなぁ。
高さ5メートルはある剣のオブジェに突き刺さった遺体。
僅かの時間で突如出現する遺体。
屋敷内には凶器が見当たらない。
土塔家の当主から怪しいし、その娘たちもちょっととんがってるし。
そんな人たちの周囲に集まる人も、癖つよだし。
殺され方も普通ではないしで、問題山積みです。
さらに館内をうろつく仮面の執事が出没します。
顔を隠して神出鬼没、怪しすぎるダロ!!!
田所も捕まえようとしますが、追い詰めたと思ったのに忽然と姿を消してしまう。
一体、どうやって。
また謎が増えちゃうじゃない。
孤立状態の館で連続殺人なんて起きてしまったら、犯人は言い逃れが難しくなっていきます。
真っ先に生存者が疑われるし、逃げ道も確保できないし。
それでも事件を起こすメリットって?
しかし!今回はぶちおは冴えていて、犯人の目星がつきました!
なんと的中!!
やったぜ!!!
でもトリックは思い付かなかった…
まだまだ頭固いなぁ~
名探偵に必要な柔軟な発想は、どこで修行したらゲット出来るスキルなのでしょう。
自然災害の前には、無力だなと。
シリーズ1作目は山火事、2作目は浸水。
脅威にさらされながらも生還した葛城たち。
荒土館の事件からも、無事に全員再会出来るのか。
そして忘れてはいけない飛鳥井の存在。
元・名探偵の彼女は、推理をしてくれるだろうか。
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こんな作品もおすすめ
『黄土館の殺人』を読んで、災害がキーワードのミステリー小説を選書してみました。
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光も音も届かない絶対的迷宮。
生還不能まで6時間。
想像の限界を超えるどんでん返し
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『このミステリーがすごい!』大賞シリーズ。
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『不死鳥は夜に羽ばたく』
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ある事件が女たちの運命を狂わせる。
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『海神(わだつみ)』
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行政の支援も届かない地獄で救助、遺体捜索などに奔走し、救世主として信望を得るが、のちに復興支援金の横領疑惑が発覚する。
骨太の社会派ミステリー!
まとめ
『黄土館の殺人』
伝説にあった巨人が蘇って、人を殺したのか?
今は亡き小説家が遺した原稿の通りに、殺人を遂行しようとしている?
分断されてしまった探偵と助手。
助手は出来る限り詳細に、荒土館で起こった連続殺人について書き残す。
自分が死んだとしても、この資料を元に探偵が事件を解決してくれると信じて。
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