ぶちおの本棚

『家畜人ヤプー』読んだら最後、その衝撃は忘れられない。あるかもしれない、未来の話。

2021年7月17日

ぶちおです。おすすめ完結漫画のご紹介です!

今回は、『家畜人ヤプー』

店頭書店員時代、江川達也先生作画の『家畜人ヤプー』を販売していました。
気にはなっていたけど、読まなかった本。
数年後、電子書籍で石ノ森章太郎先生作画の『家畜人ヤプー』が、期間限定で1巻無料でした。
もう、これは読んでみようと手に取り、気付くといっき買いしました。

禁断の書というか、読んだことを後悔するくらいの衝撃を受けました。
ただ、抗いがたい魅力だらけで定期的に読みたくなるのです…

この衝撃をお届けしたい!

家畜人ヤプー(1) 宇宙帝国への招待編 (石ノ森章太郎デジタル大全)

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こんな人にオススメ

☆SFにもわりと興味がある
☆とんでも描写に耐えられる
☆フィクションとして、作品を受け入れられる
☆色々と思いを巡らせるのが好き

書籍概要

◆作品名 家畜人ヤプー
◆著者   沼正三 (著), 石ノ森章太郎 (著)
◆出版社 講談社

196X年、西ドイツの山間部に空飛ぶ円盤が墜落した。留学中の瀬部麟一郎(せべ りんいちろう)と婚約者・クララは、墜落現場で白人女性・ポーリーンの命を救う。彼女は2000年後の未来からやってきたというが、未来世界で日本人は「ヤプー」と呼ばれる家畜だった!? 麟(リン)もまた、ヤプーとして調教され、肉体改造手術の末に家畜化され……。三島由紀夫、澁澤龍彦、寺山修司らが絶賛したSF奇書を漫画化!!

Amazon『家畜人ヤプー(1)』作品内容より

『家畜人ヤプー』おすすめしていきます

先にも書きましたが、衝撃作品です。
少しでもメンタル弱い人は、絶対に読まないでください。
と、注意をすればするほど、読みたくなりますよねw
ぶちおも、そういう煽られ方で手にとりましたもの!

では本書内に少し触れていこうと思います。
びっくり描写満載な作品なので、ご注意ください。

メインの登場人物は、日本人男性・瀬部麟一郎(せべ りんいちろう)。そしてドイツ人女性の婚約者・クララです。
二人は婚約をかわし、ラブラブです。

二人がくつろいでいる時、円盤が不時着します。円盤、UFO的なもの、宇宙船です。
中には綺麗な白人女性ポーリーンが倒れていて、二人は介抱します。
このポーリーンとの出会いで、二人の未来は大きく変わります。

ポーリーンは未来からタイムトラベルをしていました。
ポーリーンはイースと呼ばれる場所のイース人と呼ばれる人種です。
未来では第三次世界大戦が起こり、日本は滅びています…
ここですでに衝撃ですが、そういう仮定の物語はいままでにもありましたよね。

さらに衝撃の話が続きます。
白人は神のように、人類の頂点とされていること、
黒人は奴隷、【半人間】として扱われていること、
日本人は【家畜人ヤプー】として家畜として扱われていること。

男女間の力関係でみると、女性が絶対上位の未来になっています。
妻とかいて「おっと」と読み、夫とかいて「つま」と読みます。
男性は女性に従い、女性をたてる存在となっています。

まとめると、
白人女性>>>白人男性>>>黒人>>>>>>日本人 といった図です。

ポーリーンは、麟一郎をヤプーと認識し、クララを自分と同じイース人だと誤認します。
途中で間違いに気付きますが、クララの美しさで自分の仲間にしたいと思ったポーリーンは、
手を尽くしてクララをイース人に仕立て上げます。

イース人は足の指が4本なので、クララに黙って指を減らす手術をしたり。
イースの服を着せ、イースの習わしを教えていきます。
ある種の洗脳が始まります。

一方で、麟一郎が人として振る舞うことが許せないポーリーン。
未来では神同然の扱いを受けるべきクララが、家畜と付き合っているというのが許せない。
未来から来て、そのルールを勝手に強いるポーリーンはだいぶヤバいですね。

誤解もあいまってあれよあれよという間にヤプー化させられる麟一郎。
拷問とか生ぬるいものではなく、人体改造もガンガンされます。

イース人からすると、そもそも日本人は家畜なんだから的なノリです。
こうして、家畜人ヤプーとして生きることになった麟一郎と、
イース人として生きることをほのめかされるクララの未来はどうなる!!!といったところです。

ヤプーって何されるの?の一部を紹介します。

まず、家畜なので服はいらないです。
特殊な注射をされて皮膚を強化されます。
これにより、裸で過ごしても問題なくなります。むしろ服を着ると熱くて悶えるくらいです。

家畜は増え過ぎてしまうので、去勢されます。
麟一郎はとられてしまった男性のシンボルを鞭に加工され、その鞭でしばかれていました。

家畜人ヤプーはイース人の好きなように加工されます。
スツールにされたり、風呂桶にされたり、鏡置きにされます。乗り物にもされます。
そして一番ぶちお的に嫌なのは、便器にされること…
顔や体型を最適に改造して、イース人のトイレの役割を引き受けます。

さらに、その集めた排泄物が奴隷たちの食事になっていること。
おいしいおいしいと、食べているのです…
とんでもないリサイクルが成り立っています。おうふ…

麟一郎は回避しましたが、反抗的なヤプーには脳をいじろうという提案もあります。
ロ××ミーという恐怖単語…

こんな本もおすすめ

今回の内容は、石ノ森章太郎先生作画版の『家畜人ヤプー』をベースに書いています。
他の作者さんによる『家畜人ヤプー』もたくさんあるので、こちらにまとめました。

家畜人ヤプー 第一巻 (幻冬舎アウトロー文庫)

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まずは、小説!すべては本書から始まりました。
沼正三先生の、そのままを堪能したい方はこちらです。

家畜人ヤプー (角川文庫 (2981))

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こちらも小説で、KADOKAWAから発行されている版です。
紙版です。

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『東京大学物語』『日露戦争物語』『まじかる☆タルるートくん』の作者、江川達也先生作画です。
絵が綺麗なので、入りやすいかもしれません。

家畜人ヤプー 全9巻完結(バーズコミックス) [マーケットプレイス コミックセット]

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ぶちおが店頭で販売していた紙版もまだあるところにはあるようです。
重版はされていないので、紙のコミックが欲しい方は是非。

まとめ

『家畜人ヤプー』
紹介しきれない衝撃が、本の中につまっております。
抗えない魅力があります。

1956年に連載がはじまった小説だと思うとなお驚きます。
著者の想像力、発想力が凄いと思います。

倫理的な問題や衝撃描写は多数ありますが、人工授精、代理出産、リサイクル循環など現在では当たり前になっている部分もあります。もちろん作品内での未来図は現実とかけ離れていますが、考え方の根の部分は同じなのかも、と。

そうなると、あり得ないこんな未来!と思っている何十年後に、
作品内で描かれていることが当たり前になっていることも、やっぱりあり得るのだと思います。

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