ぶちおです。
今回は『けがわとなかみ』全4巻をご紹介しようと思います。
食うものキツネ、食われるものウサギ。
でもウサギはキツネが大好きで、激重愛情を振りまいてくる。
逃げ惑うキツネ、追うウサギ。
種族を超え、一緒にいる未来はやってくるのか。
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こんな人にオススメ
☆動物が好き
☆野生の掟に理解がある
☆グッとくるワードが欲しい
☆口の悪いウサギが愛しい
書籍概要
◆作品名 けがわとなかみ
◆著者 類家海
◆出版社 新潮社
ある日、食べようとしたうさぎに告白されるきつね。きつねの戸惑いをよそに、「あなたが好き」と伝え続けるうさぎ。うさぎの強めなアプローチによって、きつねの心の強張っていた部分が少しずつ柔らかくなっていく。果たして、食うものと食われるものは共に生きることができるのか――? 「泣いた」という声続出の、異種同士の愛と友情の物語。【電子版特典】巻末には電子書籍限定カラーイラストを収録!
ぶちおの読書感想文
『けがわとなかみ』
何がいいとか悪いとか、常識に囚われて息が詰まっている時は、ウサギのような存在に救われます。
自然の摂理とか、本能すらもシカトして。
好きになったから好きです!そして連日のストーカー行為に精を出すw
キツネも迷惑と感じつつも、突き放せない。
気付けば森の中の名物カプとして認定されている。
ほわほわ動物たちによる日常というのにも癒されますが、人間にも通じる魂のシャウトも時折あります。
そして涙腺が弱っている時は、すぐに決壊することでしょう。
泣かせるぞ、泣かせるぞ~というシーンではなく、ただそのままの気持ちをどーんと突き付けられるだけでホロリ。
年のせいでもあるし、こういう気持ちわかるなという共感からのホロリでもある。
考えすぎてきてキツネには、考えすぎないウサギのような存在が救いなんだなぁ。
キツネはウサギを食べるもの。
でもあの雪の日、お腹がすいていたキツネはウサギを食べることなく助けました。
葉っぱをかけて体を温めて、食べ物も置いて。
死を確信していたウサギですが、救われたことで気付きます。
キツネを探して、愛の告白を!
どうして自分のようなものに入れ込むのか、キツネには理解不能。
ウサギ達にとってキツネは恐ろしい存在なのに。
狩るものと捕食者の関係は動かせない。
本能を上書きすることは不可能。
ほら、鳥を食べているところを見て引いていたじゃないか。
それでもウサギはずーーーっと愛を伝えてくる。
純愛というよりは、恐怖を感じる愛の伝道師ウサギw
そして可愛いフォルムからは想像できないくらい、すぐにケンカを買うし口も悪い。
輩なところも含めてウサギの魅力です。
自分に正直に動けるって凄いパワーだなぁと。
普通はそんなことしない。常識としてありえない。という言葉は何の意味もないんだろうな。
自然の中でいつ、どこで、なにが原因で死ぬかわからない。
でもどうせ死ぬなら、誰かの役にたって死にたい。
そういう原動力なのか?
ウサギが気になる。
そもそも性別についての言及はなかったです。
キツネがオスなのは確定ですが、だからといってウサギはメスと安易に決めていいものか。
種族も気にしないんだし、性差なんかもっとどうでもいい話か。
ウサギとキツネ以外にも、対極の立場にいるアニマルたちはいます。
30年以上も池に住んでいるコイ。
若い頃は夢もあったけど、笑われた。若いというのは愚かということ。
このまま池で過ごすもの。
そう思っていた時に出会ったのは旅をしているカラス。
渡り鳥でもないけど、あちこちを飛んでいる若いカラス。
コイはカラスに説教をしますが、逆にカラスの言葉に気付かされます。
このまま狭い池にいる?
それともカラスと一緒に外の世界に飛び出してみる?
行動するのは思っているよりも簡単なことかもしれない。
自分の狭い世界観でこりかたまるって、あるもの。
年をとる自分の力量もわかるから、無茶をしなくなる。
若い頃なら許せる失敗も、年をとってからだと笑えない。
イタイ大人になりたくないからって、そのまま朽ちるのがいいのか!?
若者を眩しいと感じる年頃の方は、コイとカラスの会話にグッときちゃうやも。
キツネらしくないキツネの過去。
コンプレックスを抱えて、他者に理解されないキツネの傷。
我が子の心配をする母親たち。
全4巻の中に、ぎゅぎゅっと優しさが詰まっています。
自分、無かもしれん。
と感じた時は、この作品に戻って熱を思い出したい。
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