ぶちおです。
今回は『invert II 覗き窓の死角 城塚翡翠』をご紹介しようと思います。
シリーズを読むのは久しぶりでしたが、読み始めたらすっかり思い出しました。
そうそう、城塚翡翠というのはこういう子じゃったと。
シリーズ1作目『medium 霊媒探偵城塚翡翠』の内容にもふれているのでシリーズは順を追って堪能するのがよいです。
※1作目の読書感想文はこちら
※2作目の読書感想文はこちら
表紙の翡翠の表情、それが全てです。
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こんな人にオススメ
☆城塚翡翠の名推理の虜だ
☆倒叙ミステリが好物
☆切ない決断を見守りたい
☆推理の推理が得意
書籍概要
◆作品名 invert II 覗き窓の死角 城塚翡翠
◆著者 相沢沙呼
◆出版社 講談社
5冠獲得ミステリ『medium 霊媒探偵城塚翡翠』、発売即重版10万部突破『invert 城塚翡翠倒叙集』に続く、シリーズ3作目!
反転、再び。
あなたは探偵の推理を推理することができますか?
嵐の山荘に潜む若き犯罪者。そして翡翠をアリバイ証人に仕立て上げる写真家。犯人たちが仕掛けた巧妙なトリックに対するのは、すべてを見通す城塚翡翠。だが、挑むような表情の翡翠の目には涙が浮かぶ。その理由とはーー。ミステリランキング5冠『medium 霊媒探偵城塚翡翠』、発売即重版10万部『invert 城塚翡翠倒叙集』に続く待望の第3作目。犯人視点で描かれる倒叙ミステリの金字塔!
ぶちおの読書感想文
『invert II 覗き窓の死角 城塚翡翠』
シリーズ3作目です。
タイトルには『II』とありますが、3作目なのでお間違いなく!
サイトによっては2作目のように見えているところもあるので、ぶちおの注意喚起でした。
本作は中編の『生者の言伝』と長編の『覗き窓の死角』の2話が収録されています。
どちらも倒叙ミステリ、最初に犯人が誰なのかわかります。
あ、この人が犯人なんだとわかった上で、翡翠とのやりとりをドキドキしながら見守ります。
そしてどういう証拠から犯人当てになるのか、その道筋を楽しみましょう。
犯人がわかっているからこそのドキドキがあるんや!!
まずは『生者の言伝』
犯人は15歳の少年です。
友達の別荘に侵入していたところ、事故のような状況でその友人の母親を刺殺…
対応を考えているところ、台風の接近で立ち往生してしまった翡翠と、翡翠のサポート役の真の2人が別荘に来てしまいます。
居留守を決め込むことも出来ず、死体がいる別荘内に2人を招き入れることに。
翡翠達にばれないように、無事に一夜を明かすことはできるのか。
古畑任三郎第2シリーズ9話(#22)『間違えられた男』のような展開に、笑ってしまいました。
いや、殺人が起きているから不謹慎ではあるのですが、何とかごまかそうとする犯人の健気さがコミカルで。
辻褄を合わせようとすればするほど珍妙なことになっちゃう。
15歳だから悪知恵も底があるというか、いっそ可愛らしいくらいでした。
翡翠と真という美女にあわあわしていたり、殺人をしたはずなのに楽観的だったり。
ヘビーになりすぎない空気の中で過ごしていますが、じわじわ不審点が浮き彫りに。
15歳の嘘がどこまで翡翠に通用するのか。
死体が見つかれば、即終わり。
『覗き窓の死角』
翡翠の性格を理解して、仲良くできる人は少ない。
とくに同性の女性からの扱いは男性と比較すると冷たい。
自分を可愛いことを理解して、自分が最高に見える行動をして、お金もあるし不自由していない。
チートガールに見える翡翠に対して、マイナス感情なく接するのはなかなかむずいのはしょうがない…
やっかみ僻みではありますが、こちらの攻撃を何とも感じていない翡翠の態度もまた怒りに火をそそぐ。
ちゃんと翡翠を理解すれば仲良くなれますが、そこまでの関係にならないのが常。
そんな翡翠に、偶然にも友人が出来ます!
友人の名前は江刺詢子。
カフェで翡翠は詢子から声をかけられて、ミステリ本の話で意気投合。
翡翠のおっちょこちょいも、詢子は気にならない。
詢子は亡き妹と翡翠を重ねて可愛がります。
今回の犯人はこの江刺詢子。
殺人を計画して実行中。
もちろん友人になった瞬間は、詢子の正体を翡翠は知りません。
ただアリバイに使われたのは翡翠自身。
警察からの聴取により、翡翠は詢子への疑いを濃くしていきます。
でも、詢子は翡翠にとって数少ない友人。
大人になってから友人作るって大変なんやで。
それに趣味もあう友人となると。
翡翠は詢子を疑いたくはない、でももし殺人犯なら捕らえなければならない。
この葛藤が!!!
推理が行き詰まるとかよりも、この複雑な心境が!!
確たる証拠はない。
でも詢子が犯人だと心ではわかっている。
でもでも、証拠はないんだから自分が黙していれば、友人が捕まることはない。
何とかして証拠を見つけられれば説得できるかもしれない。
じゃあ、どんな証拠がありえるのか。
謎も解かないといけないし、友人の無実をもしかしたら証明する方法があるかもしれないし。
探偵として翡翠はどうするのか。
詢子はカメラマンをしているので、翡翠を被写体に撮影会を。
表紙のイラストがその瞬間の1枚です。
今までとは違った強い意志をもった瞳が印象的。
読了した後にこの表紙を見るとまた…
黄色い花はミモザ。
花言葉がこの事件の暗喩になっています。
友人が少ないと、友人できた時の嬉しさはハンパないもの。
ライトに友人を作れる時代ではありますが、翡翠のような才能をもっているとそれも難しいんだなぁと。
サポート役の真の活躍にも痺れます。
翡翠の数少ない理解者の真。
そして翡翠を操作しようとする謎の力も。
翡翠という人物の内奥に迫る事件でした。
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