ぶちおです。
おすすめ小説のご紹介です!
今回は『死刑にいたる病』
映像化でも話題になった作品、死刑を免れない未決囚がある大学生に頼んだこと。
それは【たった1件の冤罪を晴らしてほしい】ということ。
調査を進めていくうちに、予想外の方向に展開されていって…
文面からやばさが香りまくる連続殺人鬼を追いたい方は是非!
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こんな人にオススメ
☆人間の暗い部分に迫りたい
☆猟奇殺人鬼の目的を考察したい
☆主人公を応援したい
☆櫛木 理宇先生ファン
書籍概要
◆作品名 死刑にいたる病
◆著者 櫛木 理宇
◆出版社 早川書房
鬱屈した大学生活を送る雅也は、連続殺人犯の大和から冤罪の証明を頼まれる。戸惑いつつ調査する雅也が辿りついた驚愕の真実とは。『チェインドッグ』改題文庫化。
Amazon『死刑にいたる病』作品内容より
ぶちおの読書感想文
『死刑にいたる病』
いやぁ~、おなかにずんっときましたw
映像化された際に気になる!となって、なんだかんだで見る機会を逃すも、
原作小説は絶対に読むんや!と決意して読了しました。
ほの暗い、色で言うとねずみ色というか鈍色のような印象でした。
スカっとはしなかったですwよき意味でw
その後味が作品のいいところというか。
読者自身で事件のパーツを組み立てて推理することで、改めて落ち込める作品です。
主人公は筧井雅也、男子大学生です。
よくいる大人しい大学生というか、パリピとは対極にいて騒々しい集団を下に見ている感じです。
鬱屈した、パッとしない、こんなはずじゃなかった、どこで人生を間違えたのか、
雅也の生活も、色がなくてなんともあじけがない日々です。
小さい頃は勉強をしなくても成績がよくて、神童のような扱いをうけていて雅也自身も輝いていました。
が、全寮制の進学高校にはいってから、少しずつ落ちこぼれていき、遂には退学処分に…
なんとか大学を受験して合格するも、本人曰くFランクの大学。
友人もいないし、恋人もいない、実家に帰るのも気まずいというなかなかの八方塞がりっぷりです。
でもまぁ、普通にいそうな大学生だなぁという印象でした。
そんな雅也のもとに、榛村大和から封書が届きます。
雅也と大和の面会から、物語は動いていきます。
榛村大和、5年前に24件の殺人容疑で逮捕されたシリアルキラーです。
うち立件できたのは9件のみ、一審で死刑という判決になりました。
しかし榛村は、9件目の犯行だけは冤罪を訴え控訴しています。
大和曰く、9件目の犯行だけは自分のルールに反しているということ。
大和はハイティーンの男女をターゲットにしていて、被害者を監禁、拷問、陵辱した後に殺害しています。
フェチの対象は指、爪。
被害者の指を折ったり、爪をはいだりして、コレクションしていました。
雅也は調べていく中で、大和の言うように9件目の事件だけには違和感を覚えます。
被害者像も、犯行内容も他と明らかに異なっています。接点も見いだせない。
ということは、大和ではない殺人犯がどこかにいることになる…
その犯人を捕まえることが出来れば、冤罪を証明することができるのではないか。
雅也は事件の真相を追うことにします。
榛村と出会った頃の雅也は小学生。雅也の人生の中で、輝いていた時代です。
大和は雅也が小学生時代によく通っていたパン屋の主人でした。
雅也も大和になついていた記憶が残っています。
大和は見た目にも魅力的な男性で、お客さんの大半が大和目当ての女性だったというくらい。
家は町の外れで、隣家とも200メートル離れています。
パンに使うため、燻製小屋と鶏小屋を構えており、近隣には臭いや音の迷惑をかけるかもと気遣い差し入れをする好青年。
内面的も人に好かれていました。
しかし、その立地条件や人柄は、連続殺人に都合がいいものばかりなわけで…
自分で決めたルールに従って、被害者達を家に招き入れて犯行を重ねていきました。
素人探偵のごとく、雅也は大学のゼミを受けながらアクティブに調査を続けていきます。
9件目の被害者の身辺調査、事件現場の確認などなど、それまでの日常が一変するくらいです。
ただここで、そもそもの疑問を忘れてはいけません。
【何故、大和は雅也に手紙を出したのか】
【大和は事件の調査を強要はしていないが、雅也はどうしてここまで事件にのめり込むのか】
【9件目の事件が冤罪だったとしても、大和が死刑になるのはほぼ確定。それでもこの9件目の事件にこだわるのは何故か】
是非、本書で答えを確認していただきたい!
気付けば読者も、術中にはまっているかもしれません。
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こんな作品もおすすめ
『死刑にいたる病』では、実際の連続殺人鬼についての記述も多かったです。
参考文献に記述されていた本を中心に選書してみました。
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凶悪犯たちの驚くべき心理に迫る戦慄のノンフィクション。
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まとめ
『死刑にいたる病』
雅也が大和と出会ってから、人が変わったと評されるようになります。
腐っていた自分を客観視出来るようになり、どうしてあんなにおどおどしていたのかと雅也自身も驚きます。
これは良い変化なのでしょうか。
雅也が幼少期を過ごしていた町で起こっていた連続殺人事件。
疎遠になっていた実家、過剰な期待をしていた祖母と父、いつも置物のような母。
雅也の家族関係も忘れてはいけません。
大和の魅力に引き込まれすぎないように、ご注意ください。
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