ぶちおです。
今回は『カミガカリ 不自然言語処理殺人事件』をご紹介しようと思います。
神はズバリ、事件の犯人を名指しする。
これで事件解決!とはなりません。
逮捕するのに必要な証拠は何もないので、人が捜査をして犯人逮捕に必要なものを揃えていくことになります。
神と人のバディが未解決事件に挑む!
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こんな人にオススメ
☆神様の存在を受け入れられる
☆神様の恐ろしさもわかっている
☆濃いめのキャラクターが好き
☆ライトめな謎解きがよき
書籍概要
◆作品名 カミガカリ 不自然言語処理殺人事件
◆著者 八女深海
◆出版社 小学館
その神は、犯人だけを言い当てる。
「犯人の名前は羽柴理沙。年齢は二十三歳。職業は――」
全国の殺人事件・行方不明者などのビッグデータを“喰らい”、未解決殺人事件の犯人の名前を告げる神・シラツカサナギ。
一見便利に見えるサナギだが、大きな欠点があった。犯行の“過程”がわからないのだ。そのため神が告げた穴だらけのヒントをもとに、欠けてしまった真実のピースを補い容疑者の有罪を立証する「カミガカリ」と呼ばれる者たちが秘密裏に組織され――。
デジタルデータで繋がれた、神と人との二人三脚での探偵行為。第1回「AIのべりすと文学賞」小学館賞受賞作。神がフーダニットを、人間がハウダニットを担当する新感覚ミステリー!
ぶちおの読書感想文
『カミガカリ 不自然言語処理殺人事件』
ライトめなミステリですが、ちゃんと伏線ははられています。
そのため、ちょこっと頭をひねれば事件の真相に辿り着くのも難しくはない方です。
そして神様がいるという前提の世界観です。
神様をいい感じで使う人間、人間に協力しつつ神様もリターンをもらう。
解決していない事件だろうが、神様がズバリ犯人を当ててくれます。
ジャケに描かれているのが、まさに本作のは柱といえる神様のシラツカサナギ。
神社の社殿で過ごしていて、俗世のゲームも楽しんじゃう。
親しみやすさを観じますが、神様特有の怖さもちゃんともっています。
大好物は人間の罪の記憶。
ちょっと昔には、罪人の脳をちゅるちゅるしていたこともあるくらい。
現代ではそれはちょっと、ということで罪人の記憶をデータに移行してからハードディスクを食べるという手法に変わっています。
神様といえど、人間のルールにはあわせていかないと。
シラツカサナギは事件のデータベースを食べて、犯人を言い当てる。
その犯人が犯した犯行の概要も少しだけ。
神の託宣は絶対。
神のお世話人である糸織は、サナギが言い当てた犯人を掴まえるべく、証拠集めに動きます。
そして犯人逮捕に至った暁には、犯人の記憶をサナギの食餌として捧げる。
糸織が所属する機関は、特別科学研究室。
全国の神と契約して秘密裏に事件を解決したり、色々と研究をしたり。
前半の事件は、この特殊なバディ達と研究室のやっぱり特殊なメンバー達の人となりを把握する段階。
犯人の名前は当時の捜査でもあがってこなかった。
しかも関与した殺人事件は3件もあるらしい。
立派な連続殺人犯だけど、調査をしてみると犯人は普通の人。
殺人なんてやりそうにもないけれど…
でも神はその普通の人こそ犯人だと言っている。
当時の関係者に聞き込みをしながら、犯人を捕まえるために繋がる糸を辿っていきます。
そして後半の事件が根幹を揺さぶるといえるような事件。
え、まさかのあの人の名前が託宣に?
どうしよう、下手を信じがたい。
だってあの時は完璧なアリバイがあったはず。
誰かに相談をするにしても、誰に言えばいいのか。
段々と全員が怪しく見えてくる。
1人で悪と戦うことになる糸織の奮闘でした。
疑い出したらキリがない!
でも殺人犯を放置することはできない。
やるしかないんや!
神様って、万能なようでいて万能じゃない、神様も死んでしまうことってあるんだよなとか。
神様サイドの世知辛さも再認識しました。
人が来なくなった神社とか、そこにいたはずの神様はどうなっちゃうんだろうとか。
神様も保護しないといけない時代やも。
いい距離感で。
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