ぶちおの本棚

『地獄の門』地獄の責め苦に耐え、自分を殺した犯人への復讐を来世で叶える。全てを完全に騙しきる転生は可能か。

ぶちおです。

今回は『地獄の門』をご紹介しようと思います。
死んだら天国か地獄に行く。
天国では天使たちと、地獄では悪魔たちとよろしくやって生まれ変わりを待つ。
来世で完璧な復讐を遂げるには、どうするべきか。

今生に粘着するタイプかは、死んでから発露する。

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こんな人にオススメ

☆死後の世界に興味がある
☆転生先は選びたい
☆死にきれない理由がある
☆自分以外のすべてを敵認定で生きられる

書籍概要

◆作品名 地獄の門
◆著者  法条 遥
◆出版社 KADOKAWA

何者かに殺され地獄に落ち、悪魔を騙しての転生を試みる佐藤良太。良太殺害事件の現場で、犯人への憎悪をたぎらせる良太の恋人・愛。地獄と現世、二つの世界が織りなす物語が到達する、驚愕の結末とは!?

ぶちおの読書感想文

『地獄の門』
自分が死んだということに気付かないまま、主人公の佐藤良太は死んでしまった。
気付いたら雲の上、かと思ったら急降下して地獄の門をくぐって、担当悪魔がついていて。
担当悪魔曰く、これから転生をするために良太には地獄でミソギをしてもらう。
ミソギが完了すれば、希望の転生先に転生することも可能。
ただし、新しい人間として生まれかわるので、佐藤良太としての自我は完全に失う。
さぁ、Let'sミソギ!

ミソギという名の地獄の責めが始まります。
みんなが想像する地獄での苦行。
血の池に落とされるとか、体を裂かれるとか、釜ゆでにされるとか。
なかなかのグロ責めが地獄には用意されています。

地獄に行かないように、真面目に暮らしましょうとぶちおも育てられました。
嘘をついたら、閻魔様に舌抜かれるからね!というワードは幼稚園でも言われた思い出。
今はあれかな、こういう教育はだめなのかなw
トラウマにもなりえる地獄論理。
でも、生きているうちには罰せられなくても、死んだら絶対に逃れられない地獄があるという考え方はぶちお好きです。
法には引っかかっていないけど、人を不快にする奴にたくさん出会いました。
そういう人達は、地獄で苦しむことでしょう。
死後の罰も見越して生きているから!ぶちおは!!

良太も悪魔のミソギに耐えながら、自分を殺した犯人に自らの手で復讐したいと願います。
自分の部屋でただ寝ていただけ。
闖入者は良太が抵抗する間も与えずに殺害。
そして今も逃げおおせている。
犯人の目星はついている、あとは転生して確証をえて、実行するのみ。

一方、現世では良太の恋人の愛が捜査をしています。
良太の事件は自分でも調べてみたい。
仲間の刑事たちの微妙な視線を受けながら、愛は独自の目線で推理を進めます。
良家の娘であるクールビューティーの愛、付き合っている良太は職もないプータロー。
釣り合わないカップルですが、愛は良太への金銭的な支援もしていた。
それは損得では測れない愛情ゆえか…

地獄での良太、現世での愛の視点を交互に読み進めていきます。
死んですぐの時は記憶も曖昧だった良太が、段々と自分の死について思い出す。
そして怨嗟を募らせて、とにかく復讐の鬼となっていく。
地獄は辛い場所だから、本当なら何もかもとっとと忘れて転生するのが最善策。
でも、良太は執念深いw
こんな執念深い奴は転生無理だろと思っちゃうくらい、粘着。
自分を殺した犯人が憎いのはわかるけど、そこまで憎しみが限界突破するのはやっぱり犯人のせいなのか。

愛は愛で、良太の事件を調べている割にはたんぱくというか。
自分を律して生きてきた女性だからなのか、いまいち捉えどころがないです。
まぁ頭の良い女性ってこういう感じか、と思いつつも何か引っかかる。
結果、この引っかかりポイントが謎を解く要素にもなるのですが。

そう、ぶちおは途中でギミックに気付きました!
こういうことじゃろうと構えて読んでいくと、納得できることが多々。
でも、ラストでそれをさらに覆してきてくれましたw
良太の復讐の結末は、良太には予測出来なかったもの。
良太の立場だったら、マジでガッカリポイントが溢れまくりでしょう。

地獄で良太の担当をする悪魔は、マリアという名前を良太からもらいます。
名前すらない存在だったけれど、マリアという識別記号をもらい、良太と友好的な関係を。
いや、悪魔って元々人間には友好的よな…
神や天使よりも、悪魔の方が甘言与えてくるイメージ。
財布を拾う時の二択とか、やっぱり悪魔の方が耳心地はいいもの。

まれに、天使も悪魔と同じことを言うかもしれません。
自分の中の善悪はしっかり持ちたいと思う今日この頃。

良太は転生するため。
愛は犯人を追い詰めるため。
2視点が交わり、マリアが語る。
そもそも天国とは、地獄とは。

どんな復讐も、虚しいだけかもしれない。

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