ぶちおの本棚

『カラット探偵事務所の事件簿』浮気調査に、暗号解読、不可能な移動トリック。今日もゆるりと開店しています。

ぶちおです。

今回は『カラット探偵事務所の事件簿』をご紹介しようと思います。
『イニシエーション・ラブ』の作者、乾くるみ先生の短篇ミステリ作品です。
ひっそりと開店している探偵事務所。
大盛況というわけではないけれど、地道にじっくり、そして迷宮入りなし!

巻の後半では、読者もを騙していた仕掛けの存在が…

カラット探偵事務所の事件簿 1 (PHP文芸文庫)

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こんな人にオススメ

☆地元密着型の探偵がよい
☆探偵と助手のツーカー感が好き
☆どろどろ愛憎レベルは高くなくてもよい
☆色々なタイプの事件をいっきに楽しみたい

書籍概要

◆作品名 カラット探偵事務所の事件簿 1
◆著者  乾くるみ
◆出版社 PHP研究所

あなたの頭を悩ます謎をカラッと解決いたします!

 浮気調査や信用調査などを扱う普通の私立探偵とは異なり、謎解きだけを専門に扱うカラット探偵事務所。

 探偵・古谷と助手・井上は毎回事件現場を訪れ、持ち込まれた事件を鮮やかに解決する!

 ファンとのメールのやりとりから作家の夫の浮気をあぶり出す「卵消失事件」、武家屋敷と呼ばれる豪邸で建物に突き刺さった矢が次々と見つかる「三本の矢」、祖父が作ったという三つの和歌から屋敷内に隠されたお宝を掘り当てる「兎の暗号」、差出人不明の手紙に同封された写真から父の居場所を見つけ出す「別荘写真事件」、団地内に配られた住人の不倫を告発する怪文書の謎を解く「怪文書事件」、古谷と井上の同級生の結婚式で、新婦の父親から風変わりな相談をされる「三つの時計」の6つのファイルを収録。

 『イニシエーション・ラブ』『リピート』で大反響を巻き起こした、乾くるみの連作短篇ミステリ、待望の文庫化。

ぶちおの読書感想文

『カラット探偵事務所の事件簿』
いまだに伝説となっている『イニシエーション・ラブ』は未読のぶちおですが、乾先生作品は読んでみたい。
そして見つけた短編ミステリ。
6作品が収録されています。

殺人事件やら爆発事件のような危ない事件ではなく、地域に静かに存在している探偵事務所に舞い込んでくるのは人には言えないちょっとした悩みごとの数々。

もしかしたら夫が浮気をしているかもしれない。
どこかから家に矢が撃たれているようで、犯人を知りたい。
亡くなった祖父が残した歌は暗号なのではないか。などなど。
凶悪度は低めですが、相談者にとってはとても重大な心の澱になるような相談ばかり。

カラット探偵事務所の所長は古谷。
名家のぼっちゃんで、探偵事務所は採算度外視というか趣味の延長というか。
こだわりの内装で事務所をOpenしても、なかなかすぐに盛況になるわけではなく。
お客さんゼロの日々だって珍しくはない。

古谷のたった一人の助手の井上。
古谷とは旧知の仲で、過去に働き過ぎて体調を崩してしまい、古谷の誘いで助手として拾ってもらった身。
仕事のしすぎだった日とは一転、探偵事務所に出勤してもとくに何もすることがない日も。

古谷はマイペースですが、謎を解く時の回路は天才的。
対して井上は普通の人。
これぞ名探偵と助手の黄金比率と言えます。
助手は出過ぎず、探偵のサポートはバッチリ。
名探偵はただ謎を解くのではなく、人の機微にも配慮。

古谷と井上のコンビが、お困り事をカラっと解決!
カラット探偵事務所と聞いて、ぶちおは宝石専門かと思いましたが違いましたw
カラッと解決、だからカラット探偵事務所。
やっぱり探偵事務所に相談をしにいく時は、どんよりもしていますから。
カラッとしてもらえるならありがたい!

「卵消失事件」
過去に浮気がバレて反省したはずの夫の様子がおかしい。
きっとまた誰かと浮気をしているはずだけど、証拠がない。
憂う妻からの依頼で、古谷は浮気調査を始めます。

1回ばれたのに、また性懲りも無く浮気をする夫w
今度はばれないようにうまくやろうとするのですが、妻の勘も鋭い。
分かりやすい証拠はないけど、必ず痕跡はあるはず。
ファンと何気ないやりとりをしているようではあるけれど…

「怪文書事件」
団地内で配られる怪文書。
誰が何の目的で配っているのか。
団地の管理人からの依頼で、古谷と井上は早速団地の調査に向かいます。
住人も多いので、全員に聞き込みは不可能だし非効率。
名探偵はすでに犯人の目星もついていて…

助手を置いてきぼりにあっという間に解決してしまいます。
そしてその怪文書以上の事件が起こることを事前に阻止。
ただ犯人を当てるだけではなく、起こるかもしれない事件も未然に阻止するのも大事じゃ!

推理に必要なものは読者にもフェアに提示されていますが、なかなか古谷のように推理は出来ず。
毎度ミステリを読むと飛び出る負け惜しみが炸裂しますw
いや、なんか気付いてはいたんよ。
読むと違和感はあったんよ。
でも凡人ぶちおの脳細胞はうんともすんとも言わず。
古谷の推理を、井上と一緒に驚きながら聞くばかりでした。

そして6作品最後の作品「三つの時計」では、まさかの事実が発覚します。
いや、そこ?!と驚きました。
少し平和ともいえる事件が多かったから、ポヤポヤしていました。
く…

どんでん返しは思わぬところからやってくる。

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